【秘録】百貨店「カリスマ経営者」の虚像は、こうして生まれた

2017/8/7
「消えたカリスマ」の半年後
2017年8月3日、三越伊勢丹ホールディングス元社長の大西洋はスーツ姿で、羽田空港に姿をあらわした。これからいざ海外出張に飛び立とう、という訳ではない。
空港内にある「イセタン羽田ストア」で働いている社員たちが遅ればせながら開いてくれた、自らの慰労会に出席するため立ち寄ったのだ。
その前夜は、かつて店長を務めた伊勢丹立川店のスタッフたちが開いてくれた、お別れパーティにも参加してきたばかりだ。
これだけ三越伊勢丹の社員たちから、私はまだ慕われているのだ──。
そう言いたげな元社長の姿は、年間1兆2500億円の売上高をほこるナンバーワン百貨店グループを率いる「カリスマ」と呼ばれた自己像が、今なお健在であるかを気にしているようだった。
一方、現在の自身の生活をこうこぼしている。