【秘録】百貨店「カリスマ経営者」の虚像は、こうして生まれた
コメント
注目のコメント
この記事のエディットを担当しました。よく新聞やテレビ、またはオンラインメディアも、カリスマ経営者という言葉をよく使います。しかし、その素顔というのは、人間である限り一つではありません。
Newspicks の泉記者は、伊勢丹トップを解任された大西元社長の素顔に迫るべく、本人だけではなく、周囲の知人たち辿り続け、これまで世に出ていないエピソードをたくさん描きこみました。力作です。
一番印象に残ったのが社長である大西さんが伊勢丹の売り場で、お客さんのズボンの裾上げをしていたというエピソード。現場主義ということかもしれませんが、経営者として解決する問題のプライオリティを、あまり理解していなかったのではと感じました。衰退した会社の顛末について見聞きすると、得てして経営者が情に流されてしまっているケースが多いように見受けられます。一見それはヒューマニズムに溢れた態度にも映りますが、「自分が嫌われたくない」という気持ちが前面に出てしまうという点ではエゴの表れなのだと思います。経営者としては現場の感情の機微を知りつつも、それを振り切ってなお冷徹にシビアな判断を下さねばなりません。当たり前の話ではあるのですが、これがなんとも難しいのだとも感じます。
この点、サッカー日本の代表監督をなさっていた岡田監督が、「選手とは飲みにも行かない」とお話になっていたのは印象に残っています。
https://newspicks.com/news/1827781/
もっとも、これだけの思いきった施策を講じられた経営者の方を「嫌われたくない性格」とまとめてしまっているのは少々違和感がありますが。今年3月に伊勢丹で起こった、社長交代劇。どんな解説を読んでも大西さんが辞めた理由に納得できず、ずっとモヤモヤしていました。
そんな個人的な探究心からスタートした今回の取材ですが、関係者に接触するうちに、大西さんの実像が浮かび上がってきました。
「誰が伊勢丹を壊したのか」
その自分なりの答えを記事中に書き込んだつもりです。ぜひ、ご一読ください。