名ばかりの「地方」銀行、人口減で大都市指向-求められる地域貢献 (1)
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地銀が大都市を目指す傾向はバブル前も同じでしたが(結局出て行った銀行が不良債権の山を築いた)、昨今のトレンドは預貸率の穴を埋めるための窮余の策という見方も出来なくもありません。
しかしこの流れは、(厳しいかもしれませんが)自らのミッションをきちんと考えていない証左であると考えます。利益成長を一義とするのであれば、スルガのように脱地銀になればいいのです。
多くの地銀のミッションは、地域へのコミットメントの深さとそのための持続可能性の維持です。
したがって、与信規模を追うのではなく、ある程度の経営規模の縮小を甘受するぐらいの覚悟があるべきだと思います。銀行は景気敏感業種ですから、少子高齢化の負の側面が出やすい地方にとどまれば「座して死を待つ」ということになるわけで、その局面打開を「名ばかり」と揶揄するのは如何なものかなとマクロのエコノミスト的には感じます。
一方でミッションステートメントとして地域貢献を掲げている向きも少なくないでしょうから、そのような揶揄も完全には的外れとも言えないのは理解できます。野崎先生仰るように、ある程度の規模縮小を所与としなければビジネスモデルとして成立しないフェイズには差し掛かっているのだろうと思料します。地域経済の発展に寄与する行動ができなくなるくらい、収益性が下がってしまっているのが事実です。
地銀に求められる地域貢献とは何なのか、立場や取引内容により様々答えはあると思います。地域の中小企業向けリスクマネーの供給とリテールバンキングであるなら、最も手間のかかるマンパワーで支える業務であり、この金利環境では縮小したい分野。
リスクに見合うスプレッドを確保するため、合併による競争緩和と融資以外の運用力強化が必要です。