焦点:日銀、欧米金利の上昇が一過性か市場動向をチェック
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最近の米欧での長期金利の動きが、米国についてはトランプ政権による経済政策への失望、欧州については主要国の政治イベントへの警戒によって、先には各々軟化していた分だけ目立つことは否定できません
その一方で、米欧ともに物価がもたついている中で、中央銀行による金融政策の正常化に向けた動きが、市場の想定よりhawkishと見え始めたことによる面も否定できないように思います
その意味では、国内金利への圧力も当面は残存する可能性もある訳です。
ただ、そもそも日銀による国債買い入れの実勢はこれまで抑制的であっただけに、指値オペを相応に使用しても、年間80兆円増加の範囲内に収まる展望があります。その意味では、現在のところは日銀に政策運営の大きな変更を求める事態には至っていない訳です。井上さんが仰っているように、仮に指値オペが断続的に運用されるような羽目になっても、「量」からの撤退を進めていたこともあって(俗にステルステーパー)、声明文に残された「80兆」に接近するという側面があります。この点、当該数値の削除タイミングについて市場が思いを巡らせるという状況があったことを踏まえれば、結果的には焦って取らなくて良かったということにもなりそうです。もっとも、だから何だ、という話ではありますが・・・。
FRBはまだしも、ECBについては域内の失業率の高さ、実質実効ベースでの為替レートのばらつき、ユーロ高のインフレへの抑制効果などに鑑みれば、せいぜい既存のQE(≒APP)の微修正程度が関の山でその先にある利上げは相当遠い話になると予想します。たとえ欧米の長期金利がファンダメンタルズ要因(景気拡大)から上昇しても、日本の長期金利は需給要因(日銀買入)でゼロに固定します、というメッセージ(だから皆さん安心してね)と解釈しました。