ピントのズレた金融緩和の「出口論」~急激なインフレは起こりません
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注目のコメント
そもそも金融緩和でデフレではない状況まで来ましたが、まだインフレ目標までは不充分ですので、普通は追加緩和論がでてもおかしくないのに、出口論が盛り上がること自体おかしいとの見方もあります。
本稿の論旨に同意です。
金融緩和の出口を早期に向かいたいのであれば、まずデマンド・プル・インフレで2%の物価安定目標を一定期間以上達成し続けることが必要不可欠でしょう。そのためには、政府の財政出動が牽引して、日銀がYCCの枠組みの下で長期金利操作目標0%近傍を維持するためにマネタリーベース拡大を継続するのが筋であり、早道といえるかと思います。いつハイパーインフレが起きるか、いつ財政が行き詰まるか、なんて誰も予測できません。何かおかしい、との懸念が世の中に拡がった時、危機は突然やって来るというのが過去の多くの国のパターンです。ギリシャの時もそうでした。
経済が低体温で日銀が国債を買って金融緩和を続ける必要がある状況である限り、国債を売りたい政府と国債を買いたい日銀の利害が一致して、問題は表面に出て来ません。問題は経済の体温が上がって日銀が出口を探り始めた時、初めて俎上に上るんです。
低体温の間は問題が見えないからといって欧米の3倍以上の速度の緩和を続ければ続けるほど、経済が混乱する潜在的なリスクが高まります。そんなリスクを高めることが健全だとはとても思えないけれど・・・