「“茶色の朝”を迎えたくなければ、思考停止をやめることです」 哲学者・高橋哲哉さん
KOKOCARA
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注目のコメント
高橋哲哉さん、久しぶりに見ましたが、お元気そうですね。
「アメリカのある社会学者が「自由を祝福することはやさしい。それに比べて自由を擁護することは困難である。しかし自由を擁護することに比べて、自由を市民が日々行使することはさらに困難である。」と言っておりますが、ここにも基本的に同じ発想があるのです。私たちの社会が自由だ自由だといって、自由であることを祝福している間に、いつの間にかその自由の実質はからっぽになっていないとも限らない。自由は置き物のようにそこにあるのでなく、現実の行使によってだけ守られる、言い換えれば日々自由になろうとすることによって、初めて自由であり得るということなのです。その意味では近代社会の自由とか権利とかいうものは、どうやら生活の惰性を好む者、毎日の生活さえなんとか安全に過ごせたら、物事の判断などは人に預けてもいいと思っている人、あるいはアームチェアから立ち上がるよりもそれに深々と寄りかかっていたい気性の持ち主などにとっては、甚だもって厄介な代物だと言えましょう。」(丸山真男「『である』ことと『する』こと」)