iPodの父が参画した知られざる巨大自動車関連メーカー「マグナ」
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注目のコメント
マグナは、知る人ぞ知る、業界の暴れん坊です。注目すべきはADAS関連で、技術よりも特許を重視する戦略でしょう。矛盾して聞こえるかもしれませんが…。
なにしろ技術の標準化会合に出てもほとんど発言せず、議事の内容をいち早く特許出願するのです。しかも標準規格の必須特許というよりは、その周辺をあえて狙うのが巧妙です。規格に必須と見なされると、独禁法を回避するために特許をリーズナブルにライセンスすることが必須(差止も不可)なのですが、周辺技術ならその必要はなく(ライセンス料を高く設定できるし、差止も可能)、しかし侵害を回避すると製品化できないという、技術的にはどんなにショボい特許でも、企業の戦略的には最強となります。彼らはまさにそれを狙ってきました(技術的に見るべきものはないが、特許としては異常なほど作り込まれたものを多数出願しています)し、実際に競合を特許侵害で提訴して、技術の評判は必ずしも芳しくないにも関わらず、いわば力ずくでシェア拡大を図ってきました。
そんな彼らが真面目に(笑)自動運転の技術開発に取り組むとしたら、大きな戦略の転換があったものと思われます。
(訴訟が思ったほど上手くいかなかったから、かもしれません。ご自慢の特許も、相手の反撃でかなり無効にされた模様ですし、完成車メーカーからはその姿勢が露骨に嫌がられていたようですから)
《以下追記》
「戦略の転換」は言い過ぎですね。技術開発と特許出願は両立するのが当たり前なので、当たり前のことをやるようになっただけです。
ちなみに彼らの特許の異常さは、IDSが軒並み1,000件くらいついてるといえば、知財に詳しい人ならわかります。トニー・ファデル氏がiPodの生みの親というのは、実は長い間秘密にされていた。
理由は、ファデル氏は当時アップルの社員ではなく、日本で言えば業務委託や派遣のような立場だった。
「アップルが開発したスマートな製品」が外部の人間によって開発されたとなると、販売戦略に支障が出るためiPod発売から数年間ファデル氏の存在は隠されていた。これは興味深い。
iPodの開発推進者が自動車部品メーカーに参画してるんですね。今までだと音楽端末の開発者が自動車部品メーカーに転職とかあまりイメージできなかったですが、ソニーも自動車向け部品が利益の柱になったりする時代だから当然といえば当然の流れなのかもしれません。
まぁ、この人はネストの創業者みたいですから、iPod 開発者というよりはIoTのプロという方が正しいと思いますが。
Webサービスのようなカジュアルテックではなく、自動運転みたいな命のリスクを抱えているシリアステックの分野においては、日本企業がシリコンバレーの企業に一矢報いる可能性があるという議論がありましたが、日本の大手自動車部品メーカーも、こういう外部人材をうまく受け入れることができるかどうかがポイントになりそうな気がします。
もちろん、文化的に難しいのは間違いないですが、既にそういう転職事例もきっとあるはずですし、そういうキャリアチェンジがこうやって話題になると、保守的な会社の経営者の見る目も変わってきそうな気がします。
甘いですかね。。。?