野菜の安定・大量生産を”植物工場”で実現する「ファームシップ」
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2009年より第三次植物工場ブームが始まりましたが、ブームはまだまだ続いているようで、日本施設園芸協会の調査によると、植物工場は5年間で約3倍に増え、全国に191箇所(H28,2月時点)あるようです。
一方で、露地栽培と競争しても価格面でかなわないため、2015年頃より倒産が相次いでいます。倒産の主な要因は、以下の3つのようです。
1.植物工場における栽培技術の不足
2.植物工場の経営ノウハウの不足
(設備に費用をかけすぎ、光熱水料費が高い 等)
3.販路が確保されていない
植物工場ベンチャーとして有名な旧みらいの倒産要因は、植物工場の運営のノウハウと販路の確保だそうです。
生産物の全量買い取り契約をして販路を確保していても、契約先で生産した農産品すべてを裁ききれず、自分でさらなる販路の開拓を迫られているところもあります。
また、独自で販路を確保しても、上手く栽培できなかったことより生産量を確保できず、供給が間に合っていないところもあります。
栽培環境を制御する人工口型植物工場や太陽光利用型植物工場の場合、生産コストのうち、光熱水料費が20~25%を占める点も、採算を確保できない大きな要因となっています。
規模の経済の追及だけでは、農産物の安定供給は難しいと思います。
大量生産した際の販路の確保や、規模の経済だけでは解決しないランニング費用の低減などの検討も必要ではないでしょうか。
現在の日本のスマート農業には、エネルギーの視点が欠けているので、太陽光発電など、再生可能エネルギーや未利用エネルギーの導入も、規模の経済の追及にプラスして頂きたいです。工場という観点で考えてみると、本記事にでてくる完全人工光型植物工場は、ほぼすべての業務や工程、設備の観点から見ても、最新式のスマート工場に近い状況になっています。
他の業界を見ると、自動車工場や製鉄所などは実はITとロボット化が進んでいる業界です。スマホ製造工場を見たことがあるでしょうか?実はまだまだ人件費の安い国での手作業が多いのです。理由は、最新の技術や自動化設備が必ずしも、その業務の人件費よりも、安くないからです。資材コスト、設備コスト、人件費などは、ビジネスを継続するには重要なパラメータです。
自動車や鉄は、商品が大きくて単価が高いビジネスです。スマホは、体積当たりの単価が高い商品ですが、完全スマート工場はまだ達成していません。
製造技術などは、業界別に大きくぶれないので、単価の安い植物工場は成り立つのかというと、自動車並か、スマホを超える量産のブレークスルーが必要と考えるとわかりやすいかもしれません。
資材コストの一つとしての、太陽が無料というのは偉大なんです。ハウス栽培が多い理由はここにあります。
若い方のベンチャーでの挑戦は、尊敬に値します。植物工場でのブレークスルーを起こしてほしいものです。葉菜は日照時間による影響を大きく受けるので、この辺りにどう策を練りこんでいるかが、投資を呼び込んでいるポイントに感じました。
また、フランチャイズした際の販路確保。一世代前の植物工場が結局販路に行き詰まり、親元だけが儲かる形で沈んで行きました。もし、一株100円が75-80円になると、営業利益は0-0.5億円になります。
投資を呼び込むためにどんな引き出しを準備しているか、仕込んでいるかも、もう一つ気になったポイントです。
九州と静岡に点があるチャレンジャーというのが、個人的には共感します。
中国の品質、確かに自分の目で行って確かめて見たい。
北川さんのコメントやまとめ方がさすがですね。