この連載について
売上高10兆円、従業員数30万人、日本が誇る巨大重電企業の日立製作所。リーマンショック直後に、史上最大の7800億円の巨額赤字を計上しながら、豪腕リーダーらの改革で蘇り、今やグローバルIoT企業との勝負に挑んでいる。ライバルだった東芝など、電機業界がこの10年で総崩れする中、日立はいかにして勝ち残るのか。その戦略と課題を追う。
2016年に東京電力がホールディングスカンパニー制に移行し、燃料・火力発電、送配電、小売を分社化。既存燃料事業や既存火力発電事業は中部電力との共同出資であるJERAが承継。
時価総額
1.48 兆円
業績
インフラサービス領域(発電システム、公共インフラや産業向けソリューション等)とデバイス領域(パワー半導体、高容量HDD等)で事業展開。医用画像情報システム、偏光板保護フィルムなどで世界シェアが高い。
業績
素材から部品・デバイス、機器、サービスやネットワーク事業まで、多岐にわたる事業を展開。ファインセラミック技術がベース。情報通信、自動車、環境・エネルギー、医療・ヘルスケアが重点市場。
時価総額
3.04 兆円
業績
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日立グループの横断的なIoT関連事業を担うHitachi Insight Groupが中心となりLumadaを活用することで、生産性や安全性の向上、プロセスの最適化、オペレーションコストの削減など顧客の課題の解決、さらには人々のQuality of Lifeの向上に貢献するデジタルソリューションを提供しているのが最大の強み。一方で東芝は、原子力と社会インフラという20世紀型の社会問題解決に固執。もてはやされる半導体事業も大した利益は稼げていない。半導体そのものが社会的問題解決にはならず、あくまで基礎技術。その半導体をどのように使って社会的問題を解決するかを知る企業こそが稼ぐ。その代表格が、アップルやグーグルだ。そして、彼らのような半導体技術を社会的問題解決に役立てるノウハウを持つ企業が、主に東芝の半導体事業の買収に名乗りを上げているのは道理だ。逆に世界一の半導体企業よりも、その半導体を使う側の企業が垂直的に買収する方が理に適っているからだ。
日立と東芝の最大の違いは、21世紀型ビジネスに舵を切れなかったことにあると思う。
ライバルだった東芝の窮地、そして、東電会長に日立名誉会長の川村氏が選ばれたことでも、タイムリーに注目を集めている日立ですが、川村氏から、辣腕の中西会長、東原社長と、歴代トップによる改革は、大企業、特に製造業では大きな成果を挙げています。
花形の鉄道を除くと、B2Bの一見目立たない事業も多いですが、実はAI、IoTにいち早く目をつけていた、そのデジタル戦略の背景も興味深いです。
日立の進化と、それに伴う課題を、つまびらかにしていきます。ぜひ、ご覧頂ければ幸いです。
一方の東芝も、これを機に一気にポートフォリオを入れ換えていき、数年後にこういう特集を組まれるように頑張れば良いだけと思う
現場のエンジニアのレベルはどちらも非常に高いのになあ。PC事業、TV事業、携帯電話事業、小型液晶パネル事業、大型液晶パネル事業、これらの事業へのリーマンショック後、地デジ後の両者の対応の仕方を鑑みても経営者の対応の仕方の差だったのだろうなあ。
10年前、日立は事業が肥大化し過ぎて、事業ポートフォリオの見直しが必要にもかかわらず、コンサルや投資銀行に提案だけさせ、フィーを払って仕事をした気になり、実際のエグゼキューションは行わなず、業界では「食えない発行体」で有名でした。「もう日立のPitchは行わない」と。
一方で東芝はウエスチングハウスを買収し、西田社長はパソコンを売り歩き、将来の成長事業をまえに進めたと賞賛されていました。
東芝は致命的な判断ミスをしましたが、日立についても、今が良いから手放しで褒め称えるのでなく、Brexit含め、これからのリスクファクターを押さえて行くことが大事です。
社員のレベルはそんなに変わらないだろうし、それを生かすも殺すも経営陣次第。