【新浪剛史×楠木建】経営者は「嫌われること」を恐れてはいけない
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自分が嫌われないことが意思決定の最優先事項になっているとお見受けする方、結構いらっしゃいます。「嫌われること」が良いわけではありませんが、「嫌われないこと」を優先するということは組織の発展よりも自己愛を優先していることの表れであり、緩慢な衰退を自ら選択しているということでしょう。
反発が大きい施策を進めていると、意思決定に関与する者のうち、誰がいつ折れたかがはっきり目に見えますが、たいていは自己愛に屈した結果だと感じます。
昔ある方に、組織のトップが嫌われないようにしようとすると薄く広く情けをかけることになるが、それは言い換えれば「薄情」であるということだ、と言われたことが強く印象に残っています。「戦略とは捨てること」みたいなワンフレーズ表現の別のバージョンとして、「戦略とは影日向を作ること」というのがあります。
「影」=やらない/マイナスになること、ということがない戦略は、「みんな頑張りましょう」という内容になって何も言っていないことが多い。
もちろん、「影」を作りながらも影になる人からも「嫌われない」ように物事を進めることはできないわけではないが、そちらのコンセンサスが最優先になるとどうしてもスピードが遅くなるし、意思決定が出来なくなってしまいます。
経営者は「非情」でなければならない、というのはまさにこういうことなんだと思います『普通は二項対立で難しい局面であっても、優先順位を明確にして、きちんと順番でつないでいくと、全然二項対立じゃなくなる』という話が参考になります。
「あるべき姿と現状のギャップを埋める」というキャッチアップ型の問題解決は古くなっていて、「矛盾するAとBを乗り越える取り組みを行う」という二項対立解消型の問題解決が、いまは求められています。