DJI、農業用ドローンを発表--1ヘクタールを10分で散布、自律飛行も可能
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ラジコン機を使った農薬散布は奥が深い.現在,ヤマハのラジコンヘリを使った農薬散布が良く知られています.これをマルチコプターに置き換えるというのは自然の流れ.プロペラの後流で農薬を均一に決められたサイズ以下の粒子にすること.葉の裏側まで均一に散布されること.農薬がドローンの機器に悪影響を及ぼさないことなど.
現在,記事にも出ている農林水産航空協会というところが,機体,散布装置,薬剤に関する認定を行っています.マルチコプターに関する農薬散布方法はまだ研究段階にあり,ちょうど農水省から研究公募も出ています.
http://www.maff.go.jp/j/supply/hozyo/seisan/170306_1.html
(私も協力中)
【追記】 もっとも有名な農薬散布ラジコンヘリと言えば,ヤマハのR-MAX.24kgの薬剤を搭載して,60分飛べるようです.ただし,全備重量は94Kgで,値段は1000万円近く.操縦にはヤマハ公認のライセンスが必要で扱いが困難.農薬散布ラジコンヘリは何年かに1回程度で墜落事故を起こし,3年前ぐらいに死亡事故も起こしている.
マルチコプターはヘリに比べれば,取り扱いと操縦が容易なのが特徴.今回のDJIの性能は,従来の農薬散布ヘリほどではないが,扱いやすく価格も安い.顧客にとっての農薬散布サービス価格が、いくらになるかというところがポイントです。ドローンの場合、操縦士や監視員の人件費、1回10分しか持たない大型バッテリーを大量に交換充電する手間、機体の稼働率も考えても、どれほどお得感があるかわかりにくいです。1年数回しか飛ばせない機体であっても、機体やバッテリーのメンテナンス費用もかかりますし、保険もかけないと心配で飛ばせません。まずは、ドローン機体のサービス化が望まれていると思います。
以前「農協に無人ヘリ農薬散布を依頼した場合の価格表」みたいなものを見させてもらったことがありますが、その時は利用料が10a辺りで1,500円(農薬代は除く)くらいしていたような気がします。
ドローンを購入したとしても、農薬代や肥料代は別に払わなければならないことを考えると、広大な面積に対して高頻度で散布する人でない限り、無人ヘリに頼んでしまったほうが安上がりになるのかもしれませんね。
(現在も上記の価格設定だったとしたらの話しではありますが…)
私は小規模農家ですし、農薬も使いませんので、詳しいことはよく分かりませんが、今もヘリを利用している農家さんのお話を是非聞きたいですねー。