「サイバー空間とフィジカル空間が融合」--日本政府のAI戦略に見る未来
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<追伸>安宅さんのコメント!
"未来は希望するものであり、描くもの"
AIのロードマップもいいのですが、「いま、どこにいるのか」という現状認識をもう少し徹底した方がいいと、中にいて思います。Pythonを使える人が日本にはほとんどいない、魅力的な就職先がない、グローバルで存在感がほぼない、など。
そうすると、「いま最低限やりきらないといけないのは何か」「(今の流れには乗り遅れているが)潮目が変わるのはどこか」などの問いに答えるものが戦略になるはずです。この半年ぐらいなけなしの時間でサポートしてきたロードマップがようやく外に出たようでうれしいです。もちろん現状のいけていなさは十分に理解しています。
人工生命のシミュレーションを見ていればよくわかりますが、初期値も条件も同じでも、同じ進化は二度と起きません。技術の太い流れはわかっても、未来が予測できるという考え自体が非科学的です。なので未来は希望するものであり、描くものであるという立場(これこそが科学的!笑)で作っています。
何らかの地図的なパースペクティブがないと何もできない的な議論があるので立ち上がったTFですが、AIに閉じず、今起きているビッグデータ、IoT、AI、マイクロマシーンなどを包含した未来として
(1)技術の進化軸として見えていることを整理
(2)技術ロードマップ×課題ロードマップ=産業ロードマップという枠組みを入れる
(3)産業革命的な枠組みでの大きな枠3フェーズを入れる
(4)産業の進化は一本線ではないので樹形図的に起きるであることを示す
(5)各課題領域での太筋の方向性を明確に意識する、、、ヘルスケアであればcure/careからpreventionに。病気から人・文脈に、攻殻化、など
(6)フェーズの大枠が一体どのタイミングで起きるかという議論はほとんど不毛で、どこまでに起こすのか、という意志こそが大切なので、そこが混ざらないようにする (>手なりでいつまでに起きるということ自体が牽引車であるロードマップの役をなしていない)
ことをインプットしました。その上で、細々したものは事務局だったNEDOの人たちが埋めてそれを関与されている先生方が色々アドバイスされた結果のものです。
個人的には勇気が出ない産業界側、大胆な規制の見直しに踏み切れない国側を励ますことと、米国から現実的なAI白書がどんどん出ている中、日本のビジョンはヤバイと多少なりとも世界の方々に思って頂けることを目指しました。個別のアカデミア的な視点でご覧になることなく、こういう未来はありうるよね、俺だったらもっとこういう絵を描くね!それをガンガンやろう!的な材料として見て頂ければ幸いです。