アジア16か国が参加 RCEP交渉きょうから
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24日に東京で行われた首席交渉官非公式会合冒頭で行った私の挨拶を貼っておきます。
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● 世界的に、保護主義が台頭する中、世界人口の半分、世界の生産・貿易の約30%を占め、今後も経済成長が期待される東アジアで「質の高いRCEP」に合意をすることは、アンチ・グローバリズムへの反転になります。
● 「ASEAN主導」で、モノの貿易だけではなく、ルールも含め交渉全体で「質の高い」合意を目指すべきです。
● 例えば、モノの貿易では、自動車・自動車部品など、貿易量が多く、地域全体にバリューチェーンが広がる製品の関税撤廃や、電子商取引、通関円滑化、海賊版・模倣品対策強化など、中小企業にとってもメリットがあるような形で、バリューチェーンを円滑化するルールの導入が、極めて重要です。
● 日本は、「質の高い」ルールの導入に向けた、ASEANのレベルアップを目指した取組みを、キャパシティー・ビルディングなどにより全力で支援していきます。4月にはASEANロードショーでASEAN経済閣僚を日本にお招きします。その機会にASEANの閣僚の方々とは意見交換する機会があります。ASEANだけでなく、中国、韓国、インド、豪州、ニュージーランドなどとも協力して、参加国全体で「質の高い」RCEPの実現に向けた議論を深めて行きたいと思います。
● 来週から始まる神戸会合は、今後の閣僚レベルでの議論の土台を作る重要な会合です。「質の高い」RCEPへ向けて実りある成果が得られることを期待します。
注目のコメント
非常に重要な交渉です。もちろん、RCEPの対象国には、かなりのレベル差がありますし、中国、インドの思惑も錯綜していますから、労力の割に日本にとっての直接的成果は小さいかも。
しかし、死んだわけではないTPPを睨み合わせながら、国際経済社会が孤立、閉鎖ではなく、協同、開放であることを主張し続けることが大切です。TPPに代わって注目を集めてくるとは思いますが、参加国が多いのでTPP以上に難航すると思います。上澄みだけの締結とならないといいのですが…。
参加国は、ASEAN10ヶ国、日本、中国、韓国、インド、オーストラリア、ニュージーランドの16カ国です。
東南アジアの現況を含むRCEPに関する基礎知識は、川端さんの以下の記事がわかりやすいです。
【川端隆史】堅調なASEAN経済、TPPに換わりRCEPへの期待高まる
https://newspicks.com/news/1973221?ref=search&ref_q=RCEP&ref_t=top