ブランドではなく「消費者」がブランドの時代に
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この領域で起きている構造変化は言語化がとても難しいのですが、真っ先に脅威にさらされていくのは、19世紀まで歴史を遡れるような伝統的な「モノづくり思想のブランド」ではなく、20世紀以降にプロダクトフォームやデザインの「新奇性」をマーケティング戦略やCI(コーポレート・アイデンティティ)戦略に活かしてきたような「商売重視のブランド」だと感じます。
SNSだけが理由ではないと思いますが、消費者はより賢く、人為的な流行に踊らされることなく、普遍的な価値を求め始めたからです。
前者の「モノづくり思想のブランド」は主に、ルイヴィトン、ロレックス、メルセデス・ベンツ、ブラウン、ダイソン等の欧州ブランドです。
これに対して、後者の「商売重視のブランド」の多くは、記事にも出てくるケイトスペードに代表される米国発祥のブランドであり、実はその代表格はAppleではないかと考えています(このため、Apple WatchがROLEXを追い詰めるという別記事には違和感がありました)。昔であれば、「ブランド」と分かりやすいものが
会話のネタとして機能していたのに対して、SNSを通じて社会に発信されるようになった今「ブランド」と分かりやすいことは叩かれるネタになりうる。
おしゃれによりさり気なさが求められている?
「ヴィトンのバッグだ!いいな〜」から「このバッグおしゃれ!どこの?」の時代
原文はこちら
http://www.forbes.com/sites/barbarathau/2017/01/27/retailers-youre-not-the-brand-anymore-the-shopper-is/#63b6bd724c50私はこれからますますブランドの重要性は増してくると思う。
過度な個客対応はブランドとしての特徴を消してしまいます。それでは私が危惧しているネット企業が陥りがちなデータで個客を判断して、販促でリテンションをかける、乾いた雑巾をさらに絞る、ブランド力のない企業になりかねない。
ブランドは個性そのもの。大切な無形資産。それを大切に育てるべき。
嫌なら使わなくても、買わなくて良いですよ。ブランドを好きなお客様を徹底的に偏愛する。その個客対応に興味がなかったお客様も思わず体験してみたくなる。
そんなブランドが愛され続けていく。そしてそういうブランドが大企業からだけでなく、むしろベンチャーや中小企業、地方からネットや個客データも活用しながら生まれくる。
そう思います。