シェアリング・エコノミーの先駆者「タスク・ラビット」の失速
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注目のコメント
なるほど。
これをシェアリング・エコノミーと呼ぶこと自体がもともとおかしいのだろう。シェアリングの本質は、個人所有が当たり前だったものを、所有の価値を削ぎ落とした機能の価値に落とし込むことで得た経済性を競争力としたビジネスモデルだ。
タスク・ラビットがやっていることは、ちょっとした手伝いニーズのマッチングサービスである。核家族化・都市化した先進国では、ちょっとした人手に親戚に頼むみたいなことが出来なくなった。確かに「便利屋」という掃除などの家事をやってくれる業者はいる。それに代わるもので、普通の人の空いている時間を活用した、コスパのいい代替手段として位置付けられる。
そもそも、ニーズのマーケット(ある程度均一なサービスの層、「掃除」「送迎」等)がそれ程大きいわけではなく、特殊技能でない限り金額は大きくはならない。かなりニッチなニーズの場合のみ高い額設定が可能だろうが、あるにはあるがそうした件数は圧倒的に(まさにべき分布のロングテール的に)少ない。
先進国に「わかりやすい仕事」が減り、キャッシュを得ることが難しくなり、金さえ出せば買えるコモディティ的なモノやコトよりも、金では買えない得がたいもの(への期待)により価値が規定されつつある現代において、タスク・ラビットの目指す世界は少なくとももっと広がる可能性はあると思う。ただ、それがスタートアップとして魅力的な爆発力をもっているかといえば、答えはわからない。そうした世界を望まない人々もかなりの割合存在しているからだ。
今行なっている中身や方向性を見る限り、その傾向は変わらないのではないか。オンデマンド・サービス第一世代の代表例でした。タスクラビットに限らず、第一世代はすでに淘汰が進んでおり、失速といえどもアマゾンと提携して、なんとか生き残り組にはいります。第二世代もすでに2015年後半から淘汰フェーズです。これからが本当の勝負。
オンデマンド・サービスの第一世代・第二世代についての分析・考察については、1年ほど前にレポート書いてますのでご参考に。
http://rp.kddi-research.jp/article/RA2016002新しい働き方、からサービス設計して儲かるはずがない。そこには顧客がいないから。Uberは安く品質の高い移動手段を求めてる人に対して、白タクという方法を提供したのであって白タクの収入をあげたいと考えたわけではない。サービスは全て課題の解消のためにある。
タスクの対象を絞り込まないというのも、利便性がたかくて良さそうに見えるが、逆に個々のユーザーがどんな課題を抱えてるかを考えずに丸めているだけではないか。課題を捉えてないサービスは自然淘汰されていくだけ。