【後編】慶應義塾大学大学院経営管理研究科 特任教授 岩本隆氏「HR Techの発展により、人間はもっと自由になれる」|モチベーションクラウド
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注目のコメント
慶應義塾大学ビジネススクール岩本特任教授のインタビュー後編。
日本のサービス業の問題の本質を突いていて、実に面白い。
経営や人事に関わる方は必読です。
「企業においては、経営学の父と言われるフレデリック・テーラーが、人 間の作業を数値化したことがはじまりですが、製造業特に工場に限るものの、 人の付加価値が定数で測れるとされてきたんですね。しかし欧米では、20~30 年前から製造業の流出が起こり始めて、定数で測れるビジネスがなくなっていった。」
「一方で日本は、すべての工場労働者が同じ品質で作業ができることに強みを発 揮して、製造業で発展を遂げてきた国ですが、近年ではアジアに工場を設立す るなどして国外に出るようになった。欧米同様で、同じ生産性でマネジメントするという、製造業のようなビジネスを国内で抱えることが少なくなりましたよね。日本の現在の GDP(国内総生産)の 75%はサービス業ということも、それを証明しています。」
「ただ、サービス業の本質とも言える「提供する付加価値によって、お客さんの感じ方が変わる」という考え方自体は、日本にはまだ根付いてはいません。欧米はチップ文化なので、サービスによってチップに差が出るという分かりやすさに慣れており、価値を変数で測ることが定着しやすいんですね。
サービス業に従事する人の付加価値を変数化していくことが、サービス業の生産性向上にとっては不可欠であることを考えると、日本では課題がまだ残りますね。」