退社から出社まで一定時間確保 インターバル制導入機運
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インターバル規制はEUでも取り入れられており、日本でも一部の企業が導入するなど、過重労働防止には有効な手段であると言えるでしょう。
ただし、日本では雇用の流動性が確保されていないことが大きな問題。
現在では、正社員を1名増やしたい場合、解雇が非常に困難な法制であるため、おおよそ定年までのコストを見込む必要があります。しかし、そこまでコストをかけて人員増を検討できる企業はそう多くはない。
理念は正しくとも、皆が守れない規制では意味がありません。雇用流動化により、採用コストを下げて、一人に長時間労働させるよりも、複数名で分担する方が効率的な働き方であればインターバル規制もなじむでしょう。
結局のところ、「長時間労働させるのは損だ」というコスト面を企業に認識させ、そのような雇用慣行を作って行くことが、真の過重労働対策であると考えています。
注目のコメント
とある人事制度改革のコンサルにお世話になっていて、その時に伺った話ですが、ある程度、大手では前々からこの制度の導入が始まっていたし、また、秘密裏に検討されていたようです。
むしろ、「インターバル制度?何それ?」となっている中小零細企業に、今日の記事を通してこの制度の導入が広まって欲しいな、と思います。制度として認知され広がるのは歓迎ですが、インターバルが短くては意味がないのでは。記事にあるユニチャームの場合、インターバルは8時間。つまり25時退社で翌朝9時出勤。
もちろん深夜シフトが当たり前にある企業では価値が出ますが、ユニチャームさん、原則午後10時以降の残業禁止にされるようなので、このあたりの整合性がいまいち分かりませんでした。本日の日経新聞1面がこちら。このタイミングで「インターバル規制」に関する記事が日経新聞で、しかも社会面ではなく1面に取り上げられることの意味は大きい。
睡眠時間の多寡が心身の健康に対して大きく影響を及ぼすことを考えると、労働時間の総量規制以上に意義が大きいのが勤務と勤務の間に一定時間のインターバルを設ける「インターバル規制」です。
ただ、非常に残念なことに、労働基準法すらほとんどスルーされている日本では、大企業も含めてインターバル規制を導入している企業、検討している企業はごく稀。「過労死白書」によれば、インターバル規制を導入している企業の割合はわずか2.2%。導入を予定している企業は0.4%という絶望的状態。
これでは「インターバル規制の義務化」まで踏み込まざるを得ないですね。Change or Die。日本企業が自らの意思でどこまで変われるか、正念場かもしれません。
参考:
http://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/karoushi/16/dl/16-1.pdf