この連載について
すべての国民に対して生活に最低限必要な収入を給付するベーシックインカム(BI)。2017年は、フィンランドで国民の一部に、約7万円を配るパイロット試験が開始されるほか、米国でも、ベンチャーキャピタルの「Yコンビネーター」が試験を計画するなど、BIがいよいよ進み出す大きな年となる。社会保障だけでなく、国民の「働き方」を大きく変え得るBI。なぜ、今世界でBIが必要とされているのか、日本で導入される可能性はあるのか、ムーブメントの最先端をレポートする。
この連載の記事一覧

【山崎元】日本は「持久戦」でベーシックインカムに向かうべき
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【前澤友作】僕が、ベーシックインカムで目指す「当たり前」のこと
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【現地ルポ】ベーシックインカムはフィンランドを救えるか
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【井上智洋】日本は世界初のベーシックインカム導入国になれ
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【徹底反論】ベーシックインカムは「不必要な賭け」である
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イーロン・マスク、FB創業者…米リーダーがBIに熱狂する理由
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【3分解説】なぜ世界は今、ベーシックインカムへ向かうのか
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【北欧要人】ベーシックインカムは「すべき」ではなく「マスト」だ
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「全員に金を配る」。壮大な社会実験が始まった
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公共事業の方が乗数効果が高いという経済学の教科書的な議論がありますが、その前提は、公共事業で潤った企業が内部留保ではなくて労働者に利益を還元するということですから、現在のような需要不足の状況下、企業が防衛的に内部留保を増やすだけになる公共事業より、直接国民の懐を豊かにするユニバーサルな手当の方が乗数効果が高い可能性もあるでしょう。公共事業には利権もつきもので、その分、効率も悪い。でも、公共事業の方が目先のGDPを嵩上げするには効果的なので(乗数効果が1しかなくても必ずGDPを一定額上げる)、政府にとっては麻薬のようなものになってしまう。実質的な日銀の国債引き受けによる無謀な財政拡張の結果として財政は破綻する可能性が高い。
ただ、だからといって、生活保護を上回るようなBIを支給することは社会の在り方を余りに急激に変えてしまうし(50年後にそういう時代が来るかもしれないことは否定しません)、一方で月に7万円ぽっちのBIを入れることの意味もわかりません。予算の組み替えが可能であれば教育や介護の無償化等を地道に行なうしかないように僕には思えます。
特集を通じて、多くの識者や提唱者にお話をお聞きしましたが、政治思想にかぎらず、多くの支持者を集めているのは、BIの一番の魅力であることを痛感する一方で、実はかなり想定する経済システムが異なったりもして、もし実際に検討に入ると顕在化することも多いかも、と感じました。
そういう意味で、波頭さんがおっしゃる「普通選挙」と同じレベルで、まずは社会保障、経済をめぐる根本としての思想をまずは共有するのは、興味深いと考えました。
ちなみに、特集では、時間などの関係で、まだ掲載できていないインタビューや取材もあり、また時期を追って、ご紹介できればと思っております。
ありがとうございました。
ほんこれ。福祉国家ともてはやされる北欧には日本の整理解雇の4要件(人員削減の必要性、解雇回避努力、被解雇者選定の合理性、手続きの妥当性)は存在しません。不要な人材はバンバン解雇される、自己責任が厳しく問われる社会なのですよね。人に優しいイメージがありますが、個人として稼ぐ能力を持たないと職が持てない社会です。
=(引用)=
BIも資本主義の中で、社会保障を体現とするいう意味で、理屈では否定しようがないくらい有効だと論証されても、現実ではなかなか進みません。
武器商人以外、世界の誰にも合理的ではない戦争がなくならないのと同じように、逆に合理的な政策であるBIが導入されないのが、政治の世界なのかもしれません。
今後BIに対して考えていかないといけない課題は沢山ありそうだなということはよくわかりました。
どこかの国が実施した場合の移民への対応などの国をまたがる問題への対応などもそうでしょうし、
実際にBIによって既存の社会保障を代替するまでのロードマップとトリガー、マイルストーン、その間の社会福祉のあり方など、色々考えていかないといけない。
各国政府の縮小化という、革命でも起きない限り実行が非常に難しい課題もある。
しかし、これらを乗り越えて数十年後ぐらいに実現した時に、AIとロボティクスなどのテクノロジーの恩恵も含め、人類史の1つの大きなアチーブメントになりそうですね。
本文でギリシャを例に出しているのは非常に面白いと思ったのですが、広い目で見ると人間はテクノロジーによって、過去に人間を奴隷にすることで獲得していた自由(あらゆる意味で)を、2500年ぐらいの時間をかけて以前と比べようがないぐらいなレベルで無機物で実現できるようになるかもしれないということですね。
そそから学んだ、資本主義でありながら
社会保障の充実
しかし、日本の一時期、終身雇用
年功序列により、ベーシックインカム
に近いものを民間で支えていた。
企業業績の悪化によりこれが崩れ
将来不安により、お金を使わなくなったり、
結婚を避けたり少子化が進み景気は
長期に低迷している。
BIは、将来に対する安心感を与え
GDPを押し上げる。
しかし同時に労働の自由化化を徹底的に
支えないといけない。
賛成か否かでいうと日本ではまだ大多数が会社で働く事に慣れているので抵抗があると思います。
最低限の保障額ではありますが、これにプラス副業が可能な社会になれば中間層は会社に帰属するメリットはあまりなくなるのではないでしょうか。
そうすれば雇うという概念もなくなり、より流動化が進むだろうと思います。
生活保護などの視点で考えると他人事になりますが、自分がある程度お金をもらえて今の会社で働き続ける必要があるかという議論の方がもう少し現実的に考える事が出来そうです。