アップル、インドでの現地生産を検討―政府と協議
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企業がグローバルソーシングをする理由は4つ
- コスト低減
- 関税 (trade tariff/ non-trade tariff)
- 安定供給 (BCP)
- ナチュラルヘッジ
この中だとナチュラルヘッジなのかなぁと想像。
現地通貨建の売り上げを増加させるのに合わせ、これまた現地通貨建でコストを発生させることで為替リスクを低減させる、インド市場に強くコミットするメッセージなのかもしれない。
それにしても、確かインドでのiPhoneの売り上げは苦戦していたような。
http://japan.cnet.com/news/service/35087126/
trade tariff/ non-trade tariffに関しては下記記事が面白い
アルゼンチンで勉強していた頃に話題になった記事
global企業はアルゼンチンにおいて輸出と輸入額をバランスさせる必要あり
確かBMWは革製品の輸出をはじめたような
https://www.bloomberg.com/news/articles/2012-11-08/argentinas-international-trade-disaster
ナチュラルヘッジに関しては、岩瀬大輔さんのHBS留学中のこの記事がわかりやすい。
http://hbslife.exblog.jp/3533877/
注目のコメント
これはアップルのインド直営販売店開設というティムクックの悲願であり一年越しの交渉の一貫であり、いよいよ最終局面という印象です。
インドでの外資ブランド直営販売店は原則禁止であり、しかし外資誘致のためモディ政権が段階的に規制緩和を行ってきました。
直近では6月に、原則インドで製造していること、しかし製造していなくともインドに最新技術要素を持ち込むなら可、という緩和を発表しました。またそれによりアップル直営店いよいよ許可へ、という報道が一斉になされました。しかしそこから半年経っても進捗無く、そしてこの報道です。
恐らくFoxconnに委託してインド向けiPoneのアセンブリラインを新設するのが順当でしょう。既にFoxconnはインドでXaomiやNokiaなどのアッセを行うインド工場を持っているので、あとはエコのミクスがあうどうかの判断かと思われます。インドで電機製品の現地生産にトライしたことがあります。元々日本で生産している電機品ゆえ、部材の現地調達比率を上げることは至難の技です。メーカーとしても品質保証の観点をどうするかなど、ハードルは高い。部材を見直すとなると設計から変えることにもなりかねない。部材から現地生産するなど、本腰を入れて生産移管する必要があるかもしれません。上手い法律的解釈と政府からの許可をうまく引き出すことは必要だと思います。
あるいは、場合によっては、ロゴの刻印などのみを現地でする、アセンブリ工程だけを現地で実施するノックダウン生産、などの方法で乗り切ることができるかもしれないですが、果たして。Make in India政策の特例を受けられないなら、他の企業がそうしている様に、現地生産の比率を高めるしかないですね。Appleが販売するからといって、すぐにシェアを取れる市場ではないと思います。Appleのブランディング、販売をコントロールしたいのが一番の理由。
自社工場での生産が主なOPPOもFoxconnに委託①。付随する形でOneplusも②。
①http://blogofmobile.com/article/45495
②http://blogofmobile.com/article/48888
Huaweiもフレクストロニクス・インドと協力して、インドでの製造を開始しています。
http://www.huawei.com/jp/news/jp/2016/HWJP20160928o
Xiaomi、AsusもFoxconnに製造委託している。そこにAppleが加わるのは、難しい事ではないようにも思えます。現地調達比率(価格なのか部品数かは分からない)を30%以上に上げる為、海外の部品メーカーにお金を出して、現地生産というのも考えているのではないか。
インドでのシェアは2〜3%程度。短期的には大量生産しなくても良い。インド向けモデルの生産に限定すると思われますが、販売が上向いてきた時に、30%ルールを維持出来るかも気になる所。インドの政策次第という感じがします。