『やり抜く力 GRIT』の著者が説く「天職の見つけ方」
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「仕事を選ぶときはいつも、それが人の役に立つことなのかどうかを考える」
「私には世界をより良くする責任がある」
今本気でこのような思いで働いている日本のサラリーマンやベンチャー経営者はどれくらい存在するのであろうか?日本の社会が一定の豊かさと居心地の良さを体現したからというもの、このような熱い思いを真剣に持って働いている人は少ない印象だ。
金儲けになるから、面白いからという理由だけで働くことが悪いとは思わないが、シリコンバレーで成功したビジネスマンを見ていても、結局一番金持ちになり、興味の尽きない仕事を続けているのは、絶え間ない「人」への関心と、「社会」への貢献を意識している人間だ。
最近のシリコンバレーの公教育では、子供の頃から社会でのボランティア、アルバイトやインターンでのビジネス経験、さらに外の世界に出ることで、自分の社会での役割や居場所を見つけるプロセスも、学業以上に重要視されている。日本の教育の現場でも、そのような「学び」も奨励することで、視野角を広げ、目線の高い人材を増やして欲しい。
注目のコメント
就活中の学生さんに対して、「自分の生い立ちを振り返って、本当に情熱を傾けられるものが何か、考えてみよう」なんてことがよく言われます(私も聞かれりゃそう答えますが)。あれは罪深いアドバイスじゃないでしょうか。就労経験もなくやりたいことが明確に見えている人なんてほとんどいないでしょう。「やりたいこと」がないことを卑下する必要なんて全くありません。最初はなんとなく「興味持てるかな〜」くらいの仕事に就く。そんなもんじゃないでしょうか。
最初の仕事で天職が見つかるかどうかはわかりませんが、得てして自分がやりたくないこと、嫌いなこと、「やり抜けね〜な」と思うことには気づくもんだと思います。個人的に今年ナンバーワンだった「GRITT」の楽しみな連載。
仕事に情熱を持つための視点として、本書で書かれている寓話が印象深い。
ある人がレンガ職人に「なにをしているんですか?」とたずねた。すると、三者三様の答えが返ってきた。
1番目の職人は「レンガを積んでるんだよ」。
2番目の職人は「教会をつくっているんだ」。
3番目の職人は「歴史に残る大聖堂を造っているんだ」。
「やり抜く力」がもっとも強い人はどの人でしょうか。そう、答えは3番目の職人です。著者は次のように述べます。
「1番目のレンガ職人にとって、レンガ積みはたんなる仕事にすぎない。2番目の職人にとって、レンガ積みは「キャリア」。3番目の職人にとって、レンガ積みは「天職」を意味する。」
多くの人は、天職はどこかにあって、それを自分で見つけるものだと思っています。
しかし実は、自分の見方しだいでいまの仕事が天職にもなるのかもしれない。
そのためには自分の仕事を見つめ直して、「この仕事はどんなふうに人びととつながっているのだろう? 世の中の役に立っているのだろうか?」などと問いかけてみることだと、著者は述べています。とても示唆に富む至言だと思います。仕事の見方を捉え直すことは、自分の仕事に新たな誇りと興味を持てるヒントになる。
「人生の成功は先天的な知能ではなく、やり抜く力が強いかどうかで決まる」→「やり抜く力とはいったいどんなものか」→「やり抜く力はどうやったら強化できるのか」
なぜ「やり抜く力」が大事なのかを改めて意識しながら連載を味わいたいと思います。36歳から42歳まで。人生において、この7年間は、特別な意味をもっている。
ライフワーク探しに真剣に取り組みはじめるタイミングであり、
私は「探求者」と呼んでいる。
この本『やり抜く力』が売れているのは、1400万人いる団塊ジュニア層が、ちょうど自分自身のライフワークを見出しはじめたからだ。
いままでは「天職(ライフワーク)」という考えなんて、なかった。いやな仕事を生活のためにやるしかなかった。
しかし、これからは、自分の才能を表現する仕事に取り組む仕事が、最高の報酬をもたらすことに、誰もが気づきはじめる。もちろん…「才能を表現する仕事なんて、普通の人には就けないんだよ」というシニカルな声は、まわり中に溢れているから、落ち込むことばかりだ。
だからこそ、「やり抜け!」という言葉には、とても勇気づけられる。