日本人よ、大企業信仰を捨てよ
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世の中には富のパイを大きくしたり、今はまだないパイをゼロから作っていく仕事と、既に大きくなったパイを維持する仕事があると思います。大企業が主に取り組むのは後者の仕事でしょう。公的機関であれば、そうして得られたパイを分配する仕事といったところでしょうか。
もちろん、それぞれに序列関係はありませんし、新興企業と大企業の役割分担の問題です。個々人がどういった仕事を志向するかは趣味の問題でしょう。
そう思うと、大企業がイノベーションに取り組む必要は「ない」とまでは言いませんが、どれほど差し迫って必要なのかと思うと、少々疑問に思うところです。世の中を支える大きなパイを維持するのもまた、立派な役割ですから。無理して不慣れなことをする必要もないのかなと。
大企業にお勤めの方で、自社が大胆な動きができないことに憤りをお持ちの方もたまにいらっしゃいますが、それは単にその方の仕事に対する志向性が現在の職場にマッチしていないだけではないでしょうか。大企業をドラスティックに変えるということが、そもそも社会からどれほど求められているのか、今一度冷静に考えてみるべきです。
そんなことを先日、日本を代表するメーカーを辞めて起業なさった方と話していました。彼の古巣に掲げられている「設立趣旨書」の理念は、その会社から巣立ったOB起業家たちによって、社の外で確実に継承されているように思います。それでいいんじゃないでしょうか。
ユニスさんの趣旨に全て賛同するわけではありませんが、外の視点から、これくらいガツンとアジテートしてもらうのはいいことだと思います。スタートアップがイノベーションを起こすのは、マーケットの評価に直接晒され、必死でそれに対応しなければならないから、という説明は説得力がありますね。
今、日本でも多くの大企業がスタートアップに近い企業をM&Aしていますが、その目的は成長するマーケットを自社の成長に取り込む為です。
スタートアップ企業はマーケットに一番近い場所にいて、その動向に大企業より敏感ですからね。
なお、筆者のスタートアップ礼賛は小気味よく、説得力もありますが、スタートアップの多くは淘汰され、必ず最後にはIPOなりM&Aなりというイグジットを迎える期限付きのプロジェクトである事も忘れてはいけません。
そもそも長期間の安定雇用を前提に、会社と人の漸増的成長を求める大企業とは、考え方も働き方も違うのです。
どちらがいいとか悪いとかでは無く、どちらが自分の生き方に近いかという問題なのだろうと思います。