帝人が高額買収で本業外の自動車部品に参入した理由
ダイヤモンド・オンライン
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注目のコメント
帝人の自動車向け材料やそのバリューチェーンについて詳しくない前提でのコメントだが、炭素繊維だけでなく樹脂材料もあり、電子材料も車載の重要度は一般論として増している。そのなかで、Tier 1経由で納入するのではなく、自社で部品まで完成させて、バリューチェーンの付加価値も取り込むし、開発工程に入ることで研究開発も加速させたい意図なのだと思う。Tier 1でなくても、Tier 1と一緒に自動車メーカー含めて開発するという部分はあろうが、材料技術と加工技術合わせて提案できる方が、提案の自由度は上がる。もちろんリスクとして、記事に触れられているTier-1としての責任以外や、加工技術内製化するということで他社の警戒心を呼び、他の材料メーカーを優先するというのも一般論としてはあろうが。
深く分析をしたことがないので、この戦略で何を解決したいのかがよくわからない。単純な上流事業領域への拡大ならば、少し片手落ちのような感じがする。定番の「シナジー」による理由付けもない?
記事によれば、「帝人は炭素繊維や炭素繊維強化プラスチックにノウハウがあるが、それらは品質も価格も高過ぎるといった理由で用途や採用車種が限られる」という現状。その打開策として、「炭素繊維製の部品とは違った特徴を出せるガラス繊維製の部品に強いCSP社を買収し、商品と技術の提案の幅を拡大」するというのは、「あっちはほったらかしにしておいて、こっちの新しいところで頑張る」といったもので、機能的にも事業ドメイン的にも整合的ではない。
つまり、ガラス繊維分野で拡大成長しても、本来の炭素繊維分野の解決にはならないように思うのだが。