【北野一】謎の多い外国人投資家。経営者の「反論方法」
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ROE8%という目標に根拠はないです。どこかの偉い大学教授がえいやと決めた数字ですから。それでも、日本の経営者の大脳皮質には8%という数字が刻み込まれました。
ステークホルダーに対する配分が歪だという意見に激しく同意。数字で示してもらうともっと良かった気がするので、以下に補足します。
【法人企業統計(金融除く全産業)】
⑴ 配当金
2012年度: 14兆円→ 15年度: 22兆円
⑵ 人件費
2012年度: 197兆円→ 15年度: 198兆円
⑶ 設備投資
2012年度: 35兆円 → 15年度: 43兆円
⑷ 利益剰余金(ストック)
2012年度: 304兆円 → 15年度: 378兆円
アベノミクス期間(2012〜15年度)における変化をみると、配当金が+8兆円(自己株式取得を含めるとおそらく+10兆円以上)と大幅に増えているのに対して、人件費は+1兆円しか増えていません。
仮に株主還元総額の増加(3年で+10兆円)が人件費の増加に回っていたら、人件費は3年間で+5.7%、年率+1.8%増えていたことになるので、日銀のインフレターゲットも達成されていたかもしれません。
黒田総裁にとって最大の誤算は原油安ではなく、企業の賃上げに対するおよび腰であったと言えます。お金の使い方、お金の分け方の問題。当たり前だが、お金を貸せば返ってくることを期待するし、出資すれば返ってこない可能性もあるからどうせならでっかく返ってきてほしい。自社がやっている事業に対して、どれくらいの確実性・不確実性を考えているか、それにどういうお金を使うことを考えているか、お金を出した人にどういう返し方を考えているか。最後に関しては、例えば成熟事業であれば不確実性が減ってきたので成長は追わずに株主還元で返すというのも一つだし、成長している領域だからこそそこにリスクを取って投資をして成長・利益拡大して返したいというのが大きく二つの方針。
なお、BIS規制の強化なども背景に、金融機関のROEは低下している。ピザの絵から考えると、一般論としては株主に戻る利益の部分と、従業員が得ている販管費のバランスがあっていないよねという指摘となる。
<追記>横山さんがコメントされている点に関して。
・ROEが「持続的」に高ければ、それは成長に再投資できる金額が多く、成長率を上げる可能性が高い
・利益の代わりにFCF(投資CFでも余剰資金の金融資産投資控除して)を分子に、分母を株主資本として計算するのもあり
・ROEが高いからといって株価のリターンは相関するものではない。というのは、ROEが高いというのは既に織り込まれている可能性が高い。むしろ、日本においては景況感の変動が大きく、少なくとも金融危機まではROEが高いところに投資するとそれは景気のピークで景況感の影響受けやすい企業に投資する傾向が強くなり、ファクターリターンはマイナスだった
・ただし、持続的にROEが高く、再投資が利益成長に結びつくのであれば、一般的に長期リターンは期待できる。
去年書いたSPEEDA総研のROE関連の記事、興味ある方は5回モノだがご覧いただきたい。
https://newspicks.com/news/1027661
<追記終>確かに四半期毎の成績/ROEに拘り(自社株買いと配当中心で)設備投資に回ってない面はありますね。それでも(やはり)投資家目線ではROEは大事なKPI。
個人投資家には(投資する企業で働けなくとも株主にはなれるわけで)好きな企業に投資し配当シッカリ取って頂き海外資金流出に歯止めかけて欲しいところ。