もんじゅ廃炉で最終調整 巨額追加費用で政府判断
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ようやくこの決断が下る。
これまでなかなか決められなかったことを今回決められる背景には、単に機が熟した、とか、合意形成に時間がかかった、だけではなく、安倍政権の大きな判断があったのだと思う。同じように、政府も民間も「すでに問題点も先がないことも分かっているけれど手をつけてないこと」に英断を下すことを始めたら日本はどんどんよくなる。純粋に科学技術論で言えば、20年近くも研究開発をして、核燃料サイクルを実現出来なかったのは残念。
政治的には、核燃料サイクルが実現出来ないので、核燃料廃棄物の処理、六ケ所の燃料再処理工場の処分等、原子力行政への影響大。見直し確実。安倍政権で実施したプルトニウムの米国への返却も含め、プルトニウム所持の「潜在的核保有国」であり続けるのかの、更なる大きな政治的決断も待っている。
国民的には、1兆円以上もつぎ込んでこの技術プロジェクトを完了できなかった政府、議員、行政機関を選んだ、自らの判断を振り返りつつ、純粋に「原子力の将来をどうしたいか?」を考える時。
単純に発電技術の費用対効果で言えば、「遅すぎた損切り」となるのだが。。。廃炉は正しい判断だと思います。
しかし、同時には大変な困難が待ち構えていることでもあるのです。
まずこれで高速増殖炉を前提にした核燃料サイクルは完全に瓦解することになります。
まだ、プルサーマルや常陽がある、と抗弁することはできますが、使用済み燃料の再生方法がなくなった上に、もんじゅで行われていた核種変換の研究続行も不可能でしょうから、各電力会社の資産に計上されている使用済み核燃料1万7000トン、約11兆円はいつか不良資産として会計上償却しなければならなくなります。
これは一歩間違えば全ての電力会社が債務超過になりかねない金額です。(少なくとも原燃は破綻するでしょう)
勿論帳簿上だけでなく、実際に廃棄処分を行うには更に11兆円のコストがかかるそうです。
とはいえ、これらの電力会社の負担は2015年から資産ではなく費用に計上することができるよう法律が改められており、いわば既定の路線とも言えます。
又別な問題として、核燃料サイクルを建前に備蓄してきた45トン、原爆5000発分のプルトニウムについても国際的非難を浴びることは必至で、これは潜在的核武装能力の喪失という、日本の防衛上の問題を引き起こすことになります。
しかしどうであれ、このまま問題を先送りすることの方が、更に将来的な負担を大きくすることになります。
ある意味核燃料サイクルの放棄というエネルギー政策の一大転換は、強固な基盤を持つ安倍政権でしかできないことなのかも知れません。