【SPEEDA総研】広告業界の現状と課題を見る
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日本の広告業界を、主に広告代理店側の動向からまとめました。なお、アドテク方面の動向については、次回別の記事としてリリースが予定されています。
情報へのアクセスが容易になり、消費者同士のつながりも強くなってくるなかで、広告そのものの位置付けは大きく変化しつつあります。国内外といった市場の線引も難しくなり、日本の広告会社も本格的にビジネスモデルの変化に取り組む必要が出てきました。
一方で、慣習から蓄積されてきた広告主側の広告効果、消費者側のブランド認知などは、ツールの効率化程度では覆せるものではなく、ネット広告、アドテクなど技術面の変化によって、そこを超えられるのかは注目点になると思われます。個人的には、いわゆる広告に釣られない層への訴求について解析が進むことに期待しています。インターネット広告は増えてはいますが、まだまだ割合が小さいですね。東南アジアではネット広告(デジタル広告)のウエイトが急増しています。
広告主側もテレビや新聞以上にお金をかけることが当然になっています。スマホを片時も離さず、歩きスマホ当たりで、あちこちで無料Wi-Fi(あるいは自分が使っているキャリア提供の無料Wi-Fi)を使えるので、パケット(とは現地では呼びませんが)を気にせずに動画を見ています。
テレビ新聞よりも、デジタルアドは日常で触れる機会が圧倒的に多い環境です。
あとは目に付くのが電車やバスのラッピング広告。日本でも増えてきましたが、私がマレーシアに住んでいた2000〜06年の時点でラッピング広告はとても盛んにおこなわれていました。
また、電車の車内や駅でも液晶画面を使った広告は、日本よりも多く手の込んだ印象を受けます。
日本を分析したこの記事に東南アジアの事例を紹介したのは、日本企業が外国で広告を出すときや、日本の広告企業が海外展開をするときは、まったくロジックが違ってくるということをお伝えしたいという意図でした。広告はビジネスにおいてどうあっても必要になりますが、以前は効果が曖昧だった中でマス向けのTVCMや新聞広告が主流でした。
インターネット広告やデジタルサイネージといった新しいツールができたことで、プレイヤーの構造、広告の使い方、効果の把握方法など全てに変化が生じています。
特に、交通広告はデジタルサイネージによってそのあり方が大きく変わったと思います。IoTと組み合わせて、リアルとデジタルをつなぐ面白い取り組みが今後も出てきそうです。
なお、広告代理店については、インターネット広告部分を中心に業界構造はかなりのスピードで変わってきている。ここの詳細は来週掲載の予定です。