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公取のリリースでも「キヤノンは届出の前に,東芝メディカルの普通株式を目的とする新株予約権等を取得し」となっているので、おそらく東洋経済の取材は正しく、キャノンのプレスリリースは「(最終的に新株予約権の行使をもって)普通株式 134,980,000株を取得する」と読むべきなのだろう。
https://newspicks.com/news/1639329
独禁法10条2項は大ざっぱにいうと①一定の国内売上がある会社が②一定の国内売上のある会社の③株式を取得する方法により議決権の50%超を取得する場合等に、公取に事前届出する義務を課している。
今回はこの③の要件がいつトリガーされるかが問題となった。キヤノン側の見解は、SPCの保有する議決権はキヤノンが保有する議決権とカウントされないことを前提に、キヤノンが議決権を取得するのはあくまで新株予約権の行使時点だから、③の要件がトリガーされるのは、新株予約権の行使時であるというものだと思われる。
SPCとキヤノンとの間には契約が存在しないことが一つのポイントのように思う。種類株の回収を売買ではなく自社株買で行うことも、その現れではないか。
個人的には、仮にクリアランスが取れなかった場合の後処理について、当事者間でどういった合意がなされているかという点が非常に気になる。
***
どうも解せない。
キヤノンの3月17日付プレスリリースと3月28日付臨時報告書では明確に「TMSCの普通株式 134,980,000株を取得する」と記載されている。
しかし、本記事が正しいとすると、3月16日の時点で既にTMSCに普通株式は存在しなかったことになる。
どちらが正しい?
東芝メディカルの登記簿が閉じてて現時点で取得できないので、確認ができません。
法に照らしてクロであれば処分をし、グレーであれば処分しないのが大原則。
一票の格差問題に関する最高裁の「違憲状態」とよく似ており、それを真似ているのでしょうか?
そもそも、公取は立法機関ではありません。
行政機関である公取にできるのは法の適正な解釈を示すだけです。
時代の推移によって行政による法の解釈も変わってきますが、同時に2つの解釈を示した例を私はいままで知りません。
法の解釈として明らかに裁量を逸脱しています。
事の是非は置いておきますが、種類株を使って、実質的には支配してはいるものの、議決権がない為に独占禁止法上の30日間の審査期間に縛られる事なく、約束の3月にクロージングするというのはよく練られたスキームだと言えます。
公取委が言う様にこれ自体は直接に法令違反とは言えないと思いますが、今後同様のケースが続くと、独占禁止法上の競争法審査自体が空文化してしまう為、今回の異例の注意に踏み切ったのでしょう。
種類株が弾力的に使用できる様になったのは、新会社法で解禁されて以降の為、それ以前に制定された法令との間に、税務面も含めて様々な抜け道が未だに存在しています。
種類株はこうした企業買収だけでなく、事業承継対策などにも非常に活用価値が大きい株式ですが、今回の公表はやり過ぎについては国は看過しないという警告だと言えます。
今後種類株を使った各種スキームにあたっては今まで以上に注意を払ったほうがいいでしょうね。
って、中学生の万引きみたいですね。
今後、どんどん、いろいろなスキームが出てくる。会計制度が変わると、内外の差も大きくなり、役所側などがついていけてない。
以前から主張している、割引率や、M&Aでの資産の少数株主の取り扱いも同様。監査法人が、任意にまかせではいけないはず。公取以外でも、こういう事例が増えるだろう。
独禁法違反だけではない。①MSHは単なる導管会社、②競争法の審査結果によっては、売買契約は失効(MSHは東芝ないし東芝メディカルへ買取りを請求する?)し、③MSHは買手としてのリスクを負っていない可能性が高いから、売買の実質がない。
東芝による、巧妙な不正会計の疑いがある。
MSHの3人の取締役をその見識が疑われ、この3人のかたの意見を伺いたい。全体のスキームを考案した法律事務所は名乗り出て、妥当性を説明して欲しい。
『それは、キヤノンとTMSCの明確な結合関係(すなわち親子関係)が認定できなかったこと、今回は初のケースであり、明確なルールがなかったことの2点を、公正取引委員会の品川武・企業結合課長は挙げている。』
当局の裁量による「有権解釈」が罷り通り過ぎることが民間のイノベーション力を多分に削いでいるように感じる私には、事の良し悪しは別にして、なんとも危うく思えます。