米アマゾン、ボーイング機20機をリース契約-自前の航空網を構築
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すごいニュースですね。
ボーイング社が公表している767型の貨物専用機の価格は150〜160億円/機なので、20機なら合計3,000億円強の設備投資です(キャピタルリースですが)。
アマゾンは1兆円近い営業キャッシュフローがあるとはいえ、かなり攻めている印象。
別の記事によると、20機は全てアメリカ国内向け。
この20機という規模感ですが、スカイマークの保有機数が15年3月時点で31機*ですので、推して知るべし(佐山さん、違ってたらご指摘ください)。
自前で国際輸送に踏み出す日も近いと思うが、既存の貨物輸送サービスは戦々恐々でしょうね。
【追記】
注* 現在は26機を運航中とのこと。
佐山さん、わざわざ補足いただき、ありがとうございました。
King HIDIEさん、確かにリース期間は5〜7年とかなり短いですし、正価ではない可能性が高そうですね。ご指摘ありがとうございます。
ついでに補足すると、2014年12月末時点でアマゾンが稼働させていた物流倉庫の広さは米国で約5.5㎢、海外で4㎢、合わせて約9.5㎢です(平方メートルではなく、平方キロメートル単位です…)。
1年前の数値なので、直近では10㎢を間違いなく超えているでしょう。
これは東京ディズニーランドの20倍で、日本にある全ての物流施設面積の6割に相当します。すさまじい。
「利益?それって美味しいの?キャッシュフローはひたすら投資に回しますが何か?」という強い意志を感じますね。常人ではない。。。「ついに航空物流網に手を出した」ということで注目されるニュースではありますが、私の見解は少々違います。
①投資額としてはそんなに大きなものにはなっていない可能性
②本ニュースは投資額がすごいというより、AMAZONの圧倒的(でもまだ潜在的)なパワーにより、リース会社に対する囲い込みが注目される
■今回のリースは5~7年
上記リンク記事によると5~7年契約。それに対し航空機の経済的耐用年数は30~40年。しかも「新規」の機体をリースするとは言っていない。従って新規機体購入価格を丸々支払うことにはならないはずです。(なお、5年間はエア・トランスポート社が運行も担うようです。)
■そもそも航空機のカタログ価格はあてにならない
半値半額というと大袈裟ですが、極端に言えばそれに近い価格で取引されるのが通例。
■エア・トランスポート・サービシーズ社は小さい
傘下にCargo Aircraft Management(CAM)というリース会社を抱えています。保有機数は80機くらいで、シェアで言うとたぶん20位前後か。ただしトップのGECASは1700機くらいを保有するような業界ですので、相対的に見ればかなり小さい企業です。ちなみにエア社のFY14売上高は590百万USドル。下記は2013年度の資料ですが、767のリースに関してP17に記載があります。
http://www.atsginc.com/docs/investor/2013/2013-ATSG-SHP.pdf
■リース取引関係だけでなく資本関係/経営への参画も視野に
下記リンクによると
- 5年間に同社普通株の最大19.9%を1株9.73ドルで取得する権利(新株予約権)をアマゾンに割り当てる
- 取締役会の1議席を提供
とのこと。
https://newspicks.com/news/1438542/body/?ref=user_225356
これらから、相対的にエア社への交渉圧力が強い(逆に言えばエア社のアマゾンへの依存)。従って、相当安い価格でリースされると思われます。初期投資としては抑えめじゃないでしょうか。一方、資本関係や経営への参画をするところから鑑みるに、「コストを相当抑える」或いは「自社物流を超えた世界を見据えている」可能性があるのではないでしょうか。