メダルより大事なことがある。五輪で知ったスポーツの意義
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忘れられない学生がいます。当時東京の大学に勤めていたのですが、水泳部のない大学なのに、全国でも勝負できる力がある学生がいました。大学では水泳をやっている素振りもみせない学生だったのですが、3年生の時に就活の話になり、悩んでいるとのこと。就活しなければならないが、1年後の北京五輪へも挑戦してみたい。ただ、今のタイムでは厳しいとのことでした。
即座に「五輪に挑戦できる人は一握り。本気で挑戦できる機会は人生においても多くない。就職は1年遅れても取り戻せる。チャレンジするべきだ。」と伝えました。
そして彼女は休学して挑戦する道を選びました。そして2008年日本選手権。種目は100、200の背泳ぎ。
彼女の友達たちと声の限りに応援しました。
結果は、予選敗退。
私は、それから1年後の卒業前に彼女がなぜ水泳部のない大学に来たのかを知りました。高校時代はメディアにも取り上げられるくらいでしたが、足の怪我でタイムが伸ばせなくなったこと、一度は諦めようとしていたこと。
それでも卒業の際、彼女は挑戦して良かったと言っていました。自分の中で諦めかけてから、もう一度挑戦したこと、結果は出なくてもそれを多くの人が応援してくれたこと。
日本選手権の競技後、スタンドに来て「負けちゃった」と友達と大泣きしていましたが、その時に撮った写真を彼女が「宝物にする」といっていたのが印象的でした。
スポーツは結果が全てなので、時に残酷だなと思います。でも、それをどう受け止めるか。受け止め方で次に進める。
伊藤さんの北京五輪の話で、つい思い出しました。もともと競争が苦手な伊藤さんが、現役時代の集大成と決めていたロンドン五輪に挑む過程でメダルではなく「日本の水泳界のために」というモチベーションに切り替わったのは、必然だったのかもしれません。
話を聞いていて思い出したのが、アテネ五輪を逃したときに、水泳界のレジェンドである古橋氏に言われた言葉「志を持て」。最後にこれ以上ないほどの志に出会ったからこそ、ロンドン五輪出場につながったのだと思いました。>>メダルが取れなかったんじゃなくて、オリンピアンでファイナリストじゃん。それって確かにすごいことだよね
僕もそう思います。
国が主導して、メダルメダル言ってる日本は、
スポーツについては、旧東欧社会主義国の匂いが強いです。