博士にまでなったのに、なぜ報われないのか
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理系と文系では違いますが、報われるために(=大学に教員として就職するために)博士号をとるという考え方は、私が大学院に入った10年前でさえすでに古かったと思います。東南アジアでは、大学教員以外の職種でも博士号をもっていればアドバンテージになるし、博士論文執筆を通じて学ぶことはアカデミアの世界とアカデミア以外の世界を接合するためにも役立つはず。研究者になるには大学就職しか選択肢がないと思っている時点で視野が狭すぎるのではと思います。
注目のコメント
社会科学・人文科学系の方とお付き合いが多いで、この記事の理系とはちょっと違いますが、より状況が大変ですね。
学会や研究会の発表は博士課程の方の発表が中心です。「この人の視点は面白い」と感じて、敢えてビジネスや政策の視点から質問をして「なるほど。それは参考になるな」という回答をされる方がいます。あるいは、こちらのバックグラウンドを意識して回答してくる方。
そうした方は殆ど、超狭き門のなかで大学や研究所、シンクタンクなどのポストを獲得しています。
多く方が大学で教鞭を執る以上、現代社会や学生、社会人に対して、単なる知識以上の何かを提供できることが必要。そういう方は、ほとんど、無事にフルタイムの仕事を得ている印象を持っています。
私が最近出した速報系記事で寄稿依頼したのは上記に該当する方々。今、ちょうど准教授クラスぐらいの方で、現場にも頻繁に出かけ、研究者としてもよい時期。本来、じっくりと検討して文章を書き上げる方が、こちらのニーズに応じて速報記事を出したりすることは、頭の切り替えが必要です。
私は書き手を知名度だけで選ばず、本質的なことを、かつ、メディア向けで表現できる方を探して、依頼を続けていきます。あるいは一緒に書いたり調査したりということもあるでしょう。
NewsPicksがそうした優秀な若手・中堅研究者が広く知られるプラットフォームとなって欲しい、そうなるべくやっています。
具体的な事例は以下の3氏による記事です。
・サウジのイラン断交。専門家はこうみる(東京大・辻上奈美江)
https://newspicks.com/news/1331122
・サウジとイランの問題を「宗派対立」で語ってはいけない(末近浩太)
https://newspicks.com/news/1336529
・パリ・テロ後の世界、日本の対応(3)中東調査会高岡豊に聞く
https://newspicks.com/news/1282630何か僕が東大工学部の大学院にいた頃から10年経っても同じような議論が延々と繰り返されている感じ。未だに「日本の会社は商社や銀行など『商売』をルーツとしており、理工系の会社でも入社年次で評価されやすい」とかいう話が出てくることは絶望的。