村田製作所は一日にして成らず(5)グローバル化はどこまで進めるのが正解か?
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注目のコメント
緋色さんのコメント参照。一番国内比率が高い村田が電子部品業界の雄なわけだが、コンデンサは窯など固定費が大きいことや、他社がアセンブリ製品が大きいのもあろう。逆に言えば、固定費が大きい商売なので、何らかの転換点で部品ニーズが変わったときには逆風となる。とはいえ、村田が主力としているものが必要なくなるフェーズは、自分では思いつかないが…
話が逸れるが、アセンブリが多い電源で国内生産がほとんどで営業利益率15%以上を定常的に維持しているコーセルの経営は面白い。原料、素材、部品、部材、セット製品。後者ほど仕様の地域性が強く、アッセンブルと輸送費の比率が大きくなる。MLCCのような部品が主力製品の内は国内比率を高い方が有利。加えて村田の競争力の源泉である生産技術の開発には身近な現場が不可欠。今は強みと製品構成がうまくマッチしているので、短期で大きく海外生産比率が上げる必要はないだろう。製品構成が部品からモジュールに変わる中で、ある程度海外比率が上がる流れになるとは思う。
同じ部品でも、例えば小型インダクターを比較すると、村田の連結対象の東光は国内でも製造しているが、主製造地は海外(タイやベトナム)。太陽誘電は国内。TDKは汎用品は海外で小型高容量製品は国内。ここは製品構成と供給先に合わせて三社三様。インダクターのスマホへの搭載数は数十個/台と、MLCCの500〜800個/台とは一桁違う事も背景にあるけど。
TDKや太陽誘電は今でも部品以外に、トランス、電源等のアッセンブル主体の部材を数量ベースではそれなりに流している事が、海外生産比率を高める必然性に繋がっている背景。海外比率を増やそうとしてる場所がフィリピン工場、というところに村田製作所の慧眼が光る。東南アジア諸国はリーマンショク以降の日中不安、超円高時にに一気に製造拠点として脚光を浴び、今はベトナムやインドネシアでの人件費が高騰しつつある。
しかし、フィリピンの海外企業誘致政策からだろうか、フィリピンの製造業の労務費は中国や他の東南アジア諸国よりも上がってない。この点は村田製作所にとっては優位に働くのではないだろうか。
下記レポートによれば東南アジア諸国の中で最低賃金を上げようとしていないのがフィリピンとタイ。そのせいでリーマンショク以降もあまりワーカーの平均賃金は上がってない点には注目したい。
http://www.smtb.jp/others/report/economy/32_2.pdf