揺れる東芝「半導体構造改革」フラッシュメモリーに集中できるか
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こういった状況になる前に、そもそもチャレンジではなく改革すべきだったというのが全て。東芝は置いておいて、連結業績が良いときには赤字部門を抱える余地はある。でもその赤字が将来化けるかもしれないゆえに持っているのと、成熟期で構造的に利益が出にくい状態なのかによって対処は異なる。後者であれば、時間軸と共に基本的には衰退していく可能性が高いのだから、早いうち(できれば利益が出ている状態)に他社に売却するほうが、結局は雇用も守りやすいし、働いている人にとっても「利益が出ている状態」で働く方が精神的にも健全だと思う。こういった勝っているうちの売却・縮小に、社会的にももっとやりやすくすべきだと思い、それの妨げの一つである「身売り」という言葉は嫌いだ。
「白物家電」「パソコン」「テレビ」はいずれもコモディティ化が激しく、日本の大企業のコスト構造ではなかなか太刀打ちできないと思います。半導体についても同じ。日の丸半導体に追いやられたアメリカ勢は、インテル、テキサスインストゥルメンツともに付加価値の高い特定製品に特化することで高収益化を達成しました。日本勢はそれができず、結局はスケールで収益性が決まる製品で勝負して、サムスンに敗れました。
もちろん、わかっていてもできないのが会社というもの。これを機会に、ピンチをチャンスに変えていただきたいです。東芝が真に「チャレンジ」すべきだったのは、現場に強いる無理な営業目標ではなく、経営陣が腹をくくって断行する企業再編であったと思います。
有名かどうかは分かりませんが、企業の資源配分を効率的に行うツールである“PPM(product portfolio Management)”なるものが存在します。(電気業界の巨人、GEはPPMをベースに稼げる多角化を進めたと言われています。)
PPMでビジネスは大きく4つに分類されます
①「花形」‥相対市場シェア高、市場成長率高
②「金のなる木」…相対市場シェア高、市場成長率低
③「問題児」…相対市場シェア低、市場成長率高
④「負け犬」…相対市場シェア低、市場成長率低
〈大まかな手順〉
・「花形」はさらなる巨大化を目指す。
・「金のなる木」で生まれたキャッシュを「花形」と「問題児」に
・「問題児」で期待できない事業は現金化し、化け変がある「問題児」に投下。
・「負け犬」は即刻撤退or売却で現金化を行い、「問題児」に投下する。
家電・パソコン・テレビを軸とする東芝の「ライフスタイル」事業は、もう何年にもわたって赤字を計上。事業内容的にも成長も見込めず「負け犬」でほぼ確定。つまり、早期撤退or縮小or売却が喫緊の課題。
ここを断行できるかどうかは、経営陣の力量に帰着しますが、日立やパナソニックは「選択と集中」を決断して復活を遂げました。
「稼いで社会に還元する」ことが、不祥事+赤字の責任を果たす第一歩になると思います。
これからの東芝を、長い目で注目していきたいです。