金利上昇は、日本で本当に起こるのか
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かような市場環境のなかで、本稿を取り上げて頂く形となりましたが、市場がいかような状況にあっても、長短金利の動向は予断を持ちにくいものです。
規制情勢を含め整理を試みたものですので、宜しくご一読ください。現在は、日銀が国債を買っている。買う=需要がある=価格が上がる=債券利回り(金利)が下がるという構造。一般に金利はインフレ予想を反映するが、こういう買い手がいるから、市場の価格発見機能が失われている状態。これらに関しては①、②を参照。また、国債の価格発見機能が失われていたケースとして、ユーロ統合後の各国国債があり、ギリシャについての③を参照いただきたい。
自己資本規制に関しては、資産×リスクウェイト(資産種類ごとの掛け目)=リスクアセットとなっていて、現在は国債は掛け目がゼロなので、自己資本規制の対象とならない。記事にもあるように、ここの掛け目を変えると、国債は額が巨額なために、必要な自己資本の額も多くなる。なぜリスクウェイトがゼロなのか、それがゼロであることのユーロにおける問題など含めて④記事参照いただきたい。
なお、金融機関の自己資本では、最近は株主資本だけでなく、永久劣後債も使用されている(⑤)。また金融危機などに対処するためのベイルイン債務という積み増し分も論点となっている(⑥)。
①https://newspicks.com/news/669685?ref=user_100438
②https://newspicks.com/news/911434?ref=user_100438
③https://newspicks.com/news/916768?ref=user_100438
④https://newspicks.com/news/798373?ref=user_100438
⑤https://newspicks.com/news/959949?ref=user_100438
⑥https://newspicks.com/news/617958?ref=user_100438「国債は国内で消化されているのだから破綻しない」「最悪政府が棒引きできるので大丈夫」などの理論がまことしやかに議論されているなかで、トップアナリストの方の冷静な分析がためになる。現在の状態が続くわけなく、どこかで金利上昇リスクはありますよ、という極めて全うな論だと思う。
過去のバブル崩壊から学ぶべき点は、「明らかに経済合理性から反する現象はいつかは是正される」こと。毎年借金を積み重ねて、収入を大きく上回る支出をしている国の信用が落ちない、というのはどう理由をつけても経済原則にあわないと思う