人事制度は社員を縛るためのものではない 対談:青野慶久(サイボウズ社長)×篠田真貴子(東京糸井事務所CFO)【後編】
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注目のコメント
組織や制度の話について。読んで思ったのはサイボウズ青野さんとCA曽山さん似ているな、と。両名とも「コレは失敗しました、なぜならばXXだからです」を上手く話される。だから聞いている方は参考にしやすい。そして今回は「大企業の病」について。納得感高いな
>日本の大企業は、同じ人生を大量生産しています。40歳になったら課長にならないといけない。課のトップでもないのに課長がいる組織になるのは、そうしないと社員のモチベーションを維持できないからです。つまり、人と同じ変化をすることがモチベーションになっているんです。しかし、すでに日本は成熟していて多様化できるところに来ているはずです。それなのに、いまだに同じルールや制度を当てはめようとしています。
この対談シリーズで一冊の本にしてほしい。。青野と篠田さん対談後編が公開に。
篠田さんの鋭い問いで、また1つサイボウズの人事制度が持つ意味が明らかに。社員の自立を促すきっかけの1つになるようにしていると。
「篠田:うちの「ほぼ日」(東京糸井重里事務所)は小規模なこともあり、働く時間や場所については裁量労働制を基本にしています。基本的に水準の高いアウトプットを出せばいいので、どこで仕事をするかについていちいち問いません(中略)サイボウズさんがそうせずに、制度という枠を設けているのはどうしてなんですか。そこまで明確に自立と責任を考えていらっしゃるのであれば、いちいち制度がなくてもいいような気がします。
青野:それは、周りがその人にどこまで期待していいかを明確にするためです。」7年前に糸井事務所に入ったころ、当社にはまだ人事評価や報酬の体系的な制度がなく、乗組員の報酬も個別交渉で決まっていました。組織が10人程度ならよいのでしょうが、40人近くになると、制度がないせいで、無駄な心理負担や軋轢が発生してしまう。初めて制度のない状況を体験して、よく分かりました。
青野さんは、多様な働きかたを組織内に実現するときの、コミュニケーションをスムーズにするツールとして、仕組みを位置付けておられました。仕組みが、社員の自立を促す一助になる。一見逆説的だと思いましたが、納得感がありました。