この業界に身を置いた者としては、違和感がある。Market Watcherさん、堀さんのコメントの方がしっくりくる。日本でのVC資金がアメリカより少ないのは、ベンチャーの数と質、即ち裾野の広さの違いが現れているにすぎないと思う。またCVC投資を受けるベンチャーは記事にあるほど多いイメージはないが、彼らを不当にデバリュエートしているように見える。出資を受ける側からすれば、VC、CVCそれぞれにメリットとデメリットがある訳で、単純にその選択の結果ではないか。それと、そもそもの話。この記事が何を言いたいのか今一つよく分からない。CVCが主流(だとして)→So What ?
ウチは色んな会社さん (VC、CVC、事業会社) から今まで45億円投資頂いたけどCVCだから悪いという印象はあんまなくやっぱヒトだと思う。どの投資会社であろうとも ① 投資先の価値向上に真剣に貢献してくれる「共闘」タイプ ② 投資したんだから成長しろよ、と口だけうるさい「監視」タイプ ③ 価値向上も監視もなく、ただ黙っているだけの「無関心」タイプ の、3タイプの投資家さんがいて、ウチは①共闘タイプの投資家さんに恵まれたなー、と思ってます。
【追記】
業界の方から事実誤認であるというコメントが出ていて参考になる。確かに日本のCVCってどこのことなんだろうというのは疑問でした。こういうのは本当にNPのよいところ
とりあえず、ジャフコの最新のファンドのLPの64%は事業法人です。もともと30%前後だったけど、SV4で特に増えた。商社はともかくノンバンクは他金融に入ってるはず。ジャフコの人からも以前聞いたが、SV4から以前はいなかったような事業会社がだいぶ増えたらしい。
P.33参照 http://www.jafco.co.jp/files/2614/2959/6844/14_4Q_handout_J.pdf
(追記)
気になったので2015上期の大型調達案件を調べてみたけど(さすがに全部は無理)、
2015/2 メタップス43億円は、【事業会社・CVC】セガゲームス、博報堂、トランス・コスモス、gumi + 【VC】フィデリティ、Fenox、新生
2015/2 ラクスル 40億円は、【事業会社・CVC】リンモチ、GREE、オプト、グローバルブレイン(KDDI)、ITV、電通、GMO + 【VC】WiL、Global Catalyst Partners
2015/4 Origami 16億円は、ソフトバンク、クレディセゾン + 個人投資家
投資金額の内訳までは分からないけど、相当な分が事業会社やCVCからきてるのは確かなんじゃないかな。
最近は特にCVCや事業法人の投資が増えてる実感はある。
これ以上の詳細は、データソースのCB insightsの生データ見ないとなんとも言えないな。。
あれか、タイトルはCVCだけど、文脈は事業会社由来のお金の話で、引っ張ってきてるデータも"corporation/CVC Deal"になってるから、色んな見方が混在して噛み合ってないんだな。
まだ理解していない方が多いので、もう少し説明します。CVCと言う場合には、事業会社は入らないです。つまり、KDDI、ソフトバンク、電通等はCVCとは呼ばないです。そうなると日本ではCVCは、多くは無いです。
CVCとは別に、LPとして(つまりファンドの出資者として)の事業会社は、確かに割合的には米国と比べると多いとは思います。その理由は、簡単で、日本の年金や大学基金・財団が、VC投資をしないからです。だけど、事業会社の投資額は多くないので、ファンドの投資家としてもメジャーにはなり得ないです。
ちなみに、グロービスのLP(投資家)に占める事業会社比率は累積で5%もいかないです。しかも、彼らにとり殆どシナジーが無い、純粋な投資です。この記事の筆者は、恐らく全く日本のVCやCVCにヒアリングしないで、グラフ一つを基に推測して書いたとしか思えないですね。かなり酷い記事です。
<オリジナルコメント>
意味がわからなったから、原文を読んでみた。言いたいことはわかった。でも、事実認識が間違っていると思う。そもそも「日本はCVCが主流」と言いながら、CVCの名前が一切出てこないのが不思議だ。
気になって調べてみたら昨年度のVC投資額の実績トップ10には、CVCが一社も入っていない。日本でCVCと言うとヤフー、サイバーエージェントかグリーベンチャーぐらいしか思いつかない。どうして、こう言う記事になったのだろうか?
① 投資先の価値向上に真剣に貢献してくれる「共闘」タイプ
② 投資したんだから成長しろよ、と口だけうるさい「監視」タイプ
③ 価値向上も監視もなく、ただ黙っているだけの「無関心」タイプ
の、3タイプの投資家さんがいて、ウチは①共闘タイプの投資家さんに恵まれたなー、と思ってます。
「日本のベンチャーの問題は、資金不足ではなく(むしろ資金過剰気味)、優秀な人材がベンチャーに向かわないことにある。投資に値する企業、経営者はほとんどいない。」
↑これだと思う。
(米をならって)大企業だからといって毛嫌いする発想を強めちゃうと、まわりまわって排他意識を作り出して、結果、会社の成長チャンスを逃しちゃいそう。
っていかにも大企業側の発想かもですが、AはA(この事例の場合、大企業は大企業)として思考停止する姿勢は、やはりよくないことはたしかなんでは。
秘密保持含めて何をどこまで語って良いのかのセンスや信用で成り立つ世界だから、まずベンチャー界隈に来るなら、信頼できる方と繋がると良いでしょう。
業界で人望ありと誰もが認めるのはビットバレーで業界エコシステムの礎を築いたネットエイジ西川社長。今年アブラハムに出資頂いてます。
西川氏はこの界隈で殿堂入りしているエンジェル投資家で、ベンチャー投資は今でも当たりまくってます。あんまりメディアには顔を出さない方針とのことですが、この界隈のエコシステムの発展に尽力されている素晴らしい方です。