ナイキ vs. アシックス。売上高は10倍、ROEは2倍の格差
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注目のコメント
「目立たないようにどこかで近道を」、というところでしょう。とはいえ、ナイキ、アディダスなどは抜かり無くスポーツライフを提案しています。アシックスもまずはもう少しピッチをあげるほうがいいように感じます。
Nikeの2015/5期決算の販促コスト(demand creation cost)は32億ドル、およそ3,900億円。
これは売上高に対して10.5%です。
かたや、アシックスの14年12月期の広告宣伝費は290億円。売上高に対する比率は8.3%です。
アシックスは前期は変則決算でしたが、年換算しても広告宣伝費は300億円そこそこで、売上高比率は8%前後です。
うまり、Nikeは規模でアシックスを圧倒してますが、広告宣伝費はスケールメリットで薄めていない。それどころか、アシックス以上の比重でガンガン使ってます。
サッカーW杯のナショナルチームのユニフォームなんかとんでもない値段なので、アシックスは日本代表さえもAdidasに譲ってます。
スケールメリットの差が出ているのは本部コストです。
アシックスはこれをよく分かっているので、日本国内の人員を対象に早期退職を募集してます。募集期限はタイムリーなことに今月末です。この記事とコメント欄のコラボレーション、素晴らしい!よく「財務分析」という言葉を聞くが、計算するだけでは分析だと思わない。分け方を変えて定量分析をし、定性につなげて、今後につなげるまでやって「分析」。コメントで色々な「分析」が出て、深堀されるのはすごいことだし、素晴らしい!
CCCに関して、売上債権と仕入れ債務、それぞれでNikeが回転期間で短いのは、サプライヤー・小売は、アシックスと比較して不利な条件を受け入れているということ。それだけNikeのブランド力が強いと言えるかもしれない。一方で、棚卸資産に関してもアシックスの方が回転期間が長い。長い=商品が発売から売れるまで時間がかかる→値下げとなる可能性。なので、これが改善すると、値下げしないで売り切ることにもつながり、粗利率とかの改善にもつながると思う。