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2021年6月23日 公開

これからの都市と建築

戦後の経済成長とともに、高層ビル群を林立させるなどして、その姿を大きく変化させてきた日本の都市。しかし、気候変動、働き方、景観、想定される災害など、新たな課題が突きつけられている。どう対処すべきなのか?これからの都市と建築のあり方を考える。〈ゲスト〉●石上純也(建築家)●藤原徹平(建築家)●和多利恵津子(ワタリウム美術館館長)
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藤原さんの言う算数で成り立つ開発は、更に因数分解すると床面積に頼った開発であって、床の呪縛から逃れられない不動産ビジネスは経済的にも危険だと思います。今後はより床以外にどう付加価値を生むかが都市も建築も肝になるかと思います。

また海外に比べて日本の発注はカッチり決まり過ぎているという印象も同感です。今後より未来予測がし難い時代において、竣工の何年も前に様々な要素をカッチり決め過ぎることは逆にリスクを背負うことにもなり、更に言えば竣工後も変化し続けられる「余白」をつくることが大事かと思います。

公共空間の約束事も、何でもかんでもカッチり決めるのではなく、敢えて「グレーゾーン」をつくることが、都市の魅力になるのだと思います。
石上さんの仰るように、日本の都市は幾何学的でなく地形でできていて、例えば渋谷を見れば、坂道の地形合わせて細かく分かれた各地区がそれぞれ独自の個性を持っていて、その曖昧な境界線に多くのグレーゾーンがあり、その集合体として渋谷の魅力があるのだと思います。そのグレーゾーンを綺麗に整理してしまうと、あの魅力は出なくなるのだと思います。

それにしても石上さんの焼き杉は凄く興味深いアイデアですね。是非見にいきたいと思います。
焼き杉のパビリオン体験してみたいです。
業界の末端から、少し背景の解説と考察。

⑴ 建築事業における役割構造
建築事業はおおよそ以下のような役割の階層となっており、建築家自体もどこを担うかにより種類が異なり、どこまで参加できるかも国やPJ毎に異なります。

⓪ 事業主(実際に事業リスクを負う主体)
① 事業全体のPM(建築だけでなく、事業、資金調達、法規、広報などの全体を統括)
② 建築の統括(デザイン、構造、設備、建築法規、施工などの建築全体を統括)
③ 建築の各部門統括(デザイン、構造、設備、建築法規、施工等の部門ごと)
④ 各部門の実行チーム

⑵ 日本の状況
⓪ 言わずもがなですが、デベロッパーが事業主
① デベロッパー(事業主)がフェーズ毎に人を変えて担当。
② 大企業の組織設計事務所やゼネコンが担当。
③ ここでのデザイン担当がいわゆる「建築家」。構造・設備を各々別の会社が担当したり、ゼネコンが施工と合わせて一括で担当したり。
※余談:スイスでは建築家が施工統括の一部役割も担っており、そのことがスイスデザインの特徴となってます

⑶ 海外との違いの背景の考察
海外で遊びがあると③の建築家が感じる背景として、海外では上記の①②③が一体でコンペを出すことや、①の会議に③の建築家も参加することがあるかと思います。日本では①がデベに内製化され、②や特に③の建築家には閉ざされているのに対して、海外では①が「プロマネ」という専門職として②③と併せて事業主の外部から調達されることも影響しているかもしれません。

他方、遊びがある背景として、プロジェクトが頓挫しやすいリスクや、経済発展フェーズであるという外部環境要因もあるかと。

⑷ 日本の状況の背景の考察
日本ではなぜ③のデザイナーが①のプロマネと距離があるのかについて、業界の末端からの考察。

③の建築家は、感性的な意匠の世界で内向き化しすぎてしまい、経済や政治といった外の世界へのアプローチやリスペクトを蔑ろにしてしまったからではないかと考えています。⓪の事業主や①のPMはリスクも責任も大きな尊敬すべき役割ですが、「簡単な算数」や「勇気が無いだけ」などと蔑むのはいかがなものかと感じてしまいました。デザインや感性としての「遊び」がいかにビジネスの価値に転換出来るかを、きちんと相手の言語で説明するべきかとも思います。

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