Ishidu Daiki

半沢系の銀行の闇ジャンルのゴシップに頼ったPV稼ぎでしょうか。 この記事ひとつとってメディア全体を批判することはしないですが、少なくともビジネスジャーナルと名を打った雑誌がこういう記事を書いてしまうと、読者の金融リテラシーの伸びが滞ってしまうのに納得感が出てしまう。

オリンパスの1Q末の現預金は1000億円強なため、ほぼ手持ちのキャッシュ全てを使っての自社株買いですね。 報道ではソニーサイドにフォーカスされてますが、これによるオリンパスでのレバレッジ向上も注目です。オリンパスは医療事業という比較的安定した成長事業を持ちながら、net D/Eは半導体業界並みの低さで、資本効率が犠牲になってます。 手持ちキャッシュが大きく消えるのでひとまず資金繰り面での財務措置はとられると思いますが、新株発行による長期資金でレバレッジを戻すのか、それともこのまま維持し、資本効率を高めていくのかは注目点です。 個人的には、大株主でもある米投資ファンド、バリューアクトキャピタルの人材を経営陣に招いて変革を推し進めているので、今回の自社株買いを機によりレバレッジ拡大を進めるのではないかなと思っています。

正しいと思うことなら、クビになっても〜云々関係なしに言えた方がいいし、会社としても言える空気を出すべきだと思いますけどね。 社員の足元を見て発言を押さえつけるような空気感の会社は、経済的にも生理的にも褒めることはできないです。

事業リスクは各事業が持つそれぞれ独自のリスクであり、それに応じてその事業の期待リターンもバラつきます。 なので、他社の類似の事業と比較してリスク・リターンの比較ができたりします。 一方で市場の話になると、記事にある通り投資家サイドの都合も絡んできます。例えば、米国企業に多く投資しているポートフォリオ(S&Pのマーケットリスクをテイク)を持つ投資家からすると、S＆Pとの相関が低いエジプトのハイリスク株式に対し、分散投資の観点でより低いリスクプレミアムを許容(高めの株価を許容)できることになります。 こうした点は、自社事業に詳しくなるばかりではわかりづらいと思います。