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就活・職場でのパンプスやヒール、強制しないで。「#KuToo」署名活動に反響、厚労省に提出へ
内藤 忍(独)労働政策研究・研修機構 副主任研究員(労働法)
イベントに呼ばれ、ヒール・パンプス着用の指示について、海外で違法とされている動きと日本法の課題についてお話をし、引用していただきました。
国際的な流れは、女性に対するハイヒールなどの男女別の服装のルール(規定などに明文化されているかは問いません。口頭の指示ももちろん含みます)は、業務上真に必要な理由がない限り、性差別やハラスメントに該当するというものです。
その上で日本の立法(特に、性差別に関する均等法)を見ると、これを明確に違法だとする規定を置いていないという法的な不備があり、立法政策上の課題と言えます。
ただ、現在でも、労働安全衛生法上、労働者の健康や安全の観点から、危険な靴の着用を命じることは違法の可能性があります(ハイヒールがローヒールより危険であることは科学的に実証されています)。
労働者の安全にかかわる問題ですから、労使協議の場や同法が求める社内の安全(衛生)委員会で議論することもできます。
また、ヒールの事故後の対処になりますが、労災の適用にもなります。
仕事上苦痛を感じるときは、会社か労働組合に相談してみることをお勧めします。
スカートで出社すれば特別手当、ロシア企業が「女性らしさ」キャンペーン
内藤 忍(独)労働政策研究・研修機構 副主任研究員(労働法)
業務上の真正な理由もなく、女性だけ、男性だけに、特定の服装(特にその性別特有の服装)を課すことについて、いまどきほとんどの先進国では性差別で違法とされると思います。
イギリスでも2015年に、プライスウォータークーパースで働くニコラ・ソープさんがハイヒールを履かないことを理由に帰宅を命じられた事件をきっかけに、イギリス政府が、2010年平等法上、違法との見解を示した上で、「服装規定と性差別」というガイダンス(通達)を出しています。
“Dress codes and sex discrimination: what you need to know”
https://www.gov.uk/government/publications/dress-codes-and-sex-discrimination-what-you-need-to-know
ロシアはひどいな、と思いましたが、日本でも男女別の服装規定は多数存在しています。状況は同じですね…
丸山議員 大量飲酒、卑わいな発言繰り返す(日本テレビ系(NNN))
内藤 忍(独)労働政策研究・研修機構 副主任研究員(労働法)
4/11に「おっぱいもめる店?」などと卑猥な発言をしていたとのこと。
5日後の4/16に、私が衆議院のハラスメント法案の参考人質疑に立った際、丸山議員は「誰に対してもハラスメントはしてはならないですよね?」と熱心に質問されていたのですが。残念ですね…
丸山議員「パワハラはどこでも起こり得る問題だ」
J-CASTニュース 2019年4月16日 (火)
https://www.j-cast.com/2019/04/16355422.html?p=all
衆議院ビデオライブラリ(4/16、厚生労働委員会)
http://www.shugiintv.go.jp/jp/index.php?ex=VL&deli_id=48941&media_type=
「窓口対応お断り」50代男性に通告 佐賀・嬉野
内藤 忍(独)労働政策研究・研修機構 副主任研究員(労働法)
職員に対する暴言が複数あったため、職員を守るために窓口対応を断る通知を出したとのこと(その代わり、文書では対応する)。事実関係の詳細は不明ながら、労働者保護の観点からは一つの方法だったと思います。
ちょうど、昨日参議院で成立したハラスメント関連法案で、事業主は、顧客等の第三者から自社の労働者が受けるパワハラ(カスタマーハラスメント)についても配慮することが求められることになりました(両院の附帯決議)。労働施策総合推進法の指針は、事業主としての地方自治体を含みますので、佐賀県嬉野市はこれを先取りした取組みになるのではないでしょうか。
今後、企業や自治体が自信を持ってその労働者を守れるように、第三者からの行為に対して取るべき具体例が指針にきちんと盛り込まれることが望まれます。
6月総会での条約採択「確信」 セクハラ禁止でILO事務局長
内藤 忍(独)労働政策研究・研修機構 副主任研究員(労働法)
記事では「セクハラ禁止を明記した条約案」とありますが、正確には、「あらゆる暴力とハラスメントの禁止を明記した条約案」です。
来月、条約が採択されると、日本は批准を目指して取り込まねばならないことになります。
現在の条約案からすると、日本法の課題は主に以下です。
今国会で法改正がされましたが、以下の法的課題は解消できませんでした。
その次の法改正では条約の内容を完全に取り込むことが必要となってきます。
○職場のあらゆるハラスメントに対応できる包括的な施策が必要
○被害者・加害者に第三者を含めることが必要
○ハラスメント行為そのものを禁止する規定が必要
詳しくは、
連合作成の資料
https://www.jtuc-rengo.or.jp/activity/gender/data/2019harassment_at_work.pdf
連合翻訳の条約・勧告案
https://www.jtuc-rengo.or.jp/activity/gender/data/2019harassment_report.pdf
ハラスメント規制法が成立 パワハラ対策、初の義務化
内藤 忍(独)労働政策研究・研修機構 副主任研究員(労働法)
衆議院で本法案の参考人として意見陳述した者です。
記事では、今改正で、「ハラスメントを行ってはならない」と明記されたとあり、そう明記されたらよかったのですが、実際はそう明記されませんでした。「労働者は、ハラスメントを行ってはならないことやハラスメントに起因する問題に対する関心と理解を深め、必要な注意を払う」という規定が導入されただけです。訓示的規定にもなっていません。
また、「罰則を伴う禁止規定はなく、実効性を確保できるかどうかが課題だ」とありますが、労働側が求めていたのは、まずは「損害賠償請求の根拠となる禁止規定」でした。よく誤解されますが、「禁止規定」=罰則規定ではありません。
就活セクハラ、男性も被害に...女性は「執拗な誘い」「身体への接触」など深刻な被害
内藤 忍(独)労働政策研究・研修機構 副主任研究員(労働法)
就活セクハラだけでなく、職場でも男性はセクハラ被害に遭っています。労働局への相談の1割弱は男性です(女性6,185人、男性642人、平成27年度)。男性の場合はセクハラを受けたと女性より言いにくいので、もっと多くの人がセクハラに遭っているでしょう。男性には何を言ってもしてもいいということでは決してありません。
企業の担当者には、セクハラ被害を受けているのは圧倒的に女性であるという認識と、しかし男性も受けるという認識を持って、対策に臨んでもらいたいです。
なお、参議院の附帯決議では、就職活動中の学生、教育実習生、フリーランス等へのセクハラだけでなくあらゆるハラスメントへの対策が指針に盛り込まれることになりました。
企業は母乳育児中の従業員をどうサポートすべきか - DHBR
内藤 忍(独)労働政策研究・研修機構 副主任研究員(労働法)
労働者の母乳育児と仕事の両立のためのアメリカの法制度が紹介されています。
国際的には、国連のILO(国際労働機関)の条約が、すべての女性に職場復帰後の母乳育児の権利が付与されること、それから、職場もしくは職場に近い衛生的な場所で搾乳(授乳)できる設備などを各国に求めていますが、日本は残念ながら未批准。
日本でも、母乳育児を支える労働環境が改善されるよう、実務と法制度が変わってほしいと思います。
内藤忍「母乳育児と仕事の両立」(労働政策研究・研修機構コラム、2009年1月8日掲載)
https://www.jil.go.jp/column/bn/colum0139.html
2000年のILO母性保護条約(第183号)(日本未批准)
http://www.ilo.org/tokyo/standards/list-of-conventions/WCMS_239185/lang--ja/index.htm
(特に3、10条)
2000年のILO母性保護勧告(第191号)
http://www.ilo.org/tokyo/standards/list-of-recommendations/WCMS_239372/lang--ja/index.htm
(特に6~9条)
パワハラ防止法が成立=来年4月にも企業に義務:時事ドットコム
内藤 忍(独)労働政策研究・研修機構 副主任研究員(労働法)
「パワハラやセクハラは「行ってはならないこと」と明記された」と記事にありますが、実際はそう明記されませんでした。「労働者は、ハラスメントを行ってはならないことやハラスメントに起因する問題に対する関心と理解を深め、必要な注意を払う」という規定が導入されただけです。訓示的規定にもなっていません。
また、「労働者側が求めた罰則付きの禁止規定の創設は見送られた」と記事にありますが、労働者側が求めていたのは、「損害賠償請求の根拠となる禁止規定」でした。よく誤解されますが、「禁止規定」=罰則規定ではありません。
記者は、労働政策審議会や国会の審議をきちんと聞いて記事を書いてほしいです。
ただ、衆参両院の附帯決議で「企業に属さないフリーランスや就職活動中の学生に対するハラスメント(嫌がらせ)についても、指針などで必要な防止措置を講じるよう要求。顧客からの迷惑行為や取引先の問題行為に対しても配慮を求めた」点について盛り込んだ部分はよかったと思います。
NORMAL
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