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「現金のない世界」はこれからこんな順序でやってくる
瓜生原 琢実CONPATH Founder
先日上海に行った際にWeChat PayとAlipayを試しましたが便利でした。日本に置き換えると、オートチャージにしているモバイルSuica×ほとんどすべてのお店がSuicaでの支払いを導入しているイメージ。
さて、地雷のイメージの強いカンボジアですが、2007年にMペサが始まったわずか2年後にWingというモバイル送金サービスが開始しています。
https://www.wingmoney.com/
このモバイル送金大手のWingがモバイル決済サービスを開始しており、この他に三井物産が10%出資したカンボジア大手携帯通信事業者Smart Axiataが運営しているSmartLuy、加盟店での大幅なディスカウントを武器に最近人気のPi Payなど5つ以上ものモバイル決済サービスが誕生しています。
Pi PayはQRコードベースのモバイル決済サービスで、中の人も先日言っていましたが、カンボジア版WeChat Pay, Alipayを目指しています。WeChat Pay、Alipayと逆でユーザーがお店の端末に表示されるQRコードを読み取り、その後PINコードを入力しなければならないのでWeChat Pay, Alipayと比べるとUXが劣っているなというのが体験した個人としての所感です。
一方、現地の銀行口座が無くても利用できるため、カンボジアにいらっしゃる際はぜひ利用してみてください。
レビューを以下のページに記しています(英語)
Pi Pay, Cambodian Mobile Payment App
https://conpath.net/en/columns/enjoy-cashless-life-and-big-discount-in-cambodia-with-pi-pay-cambodian-local-mobile-payment-app/
カンボジア政府はドルを脱却してカンボジア・リエルへと移行するための施策を打ったりしていますが、途上国の利点である一足飛びに最先端にいける利点を生かしキャッシュレスへと向かってもらいたいところです。
カンボジア独自の暗号通貨を作っているコミュニティが出てきていたりと、ブロックチェーン・暗号通貨系もカンボジアではじわじわ盛り上がり始めています。
米ウーバーの第3四半期、純損失が14.6億ドルに拡大=関係筋
瓜生原 琢実CONPATH Founder
カンボジアに今年から参入してきているUber。人口200万のプノンペンでしか稼働していないため、そもそものパイが非常に小さいです。カンボジアで小銭を稼ぐ意味はあるのか。
【カンボジアの配車アプリ市場概況】
ところで、配車アプリ用システムをパッケージ販売しているエストニアに籍を置いているTaxi Startupという会社から、カンボジア人若手起業家Daluch氏が同パッケージを利用して2016年6月に始めた「EXNET Taxi Cambodia」がカンボジア発の配車アプリです。
AppStoreでシステムをTaxi Startupなる会社が作っていることがすぐにバレるため、同システムを利用したいくつもの配車アプリが誕生しました。
このようにローカル配車アプリが乱立したことで"配車アプリ"の概念がカンボジア(プノンペン)に浸透し始めたことが、UBERがカンボジア市場に参入してきたひとつの要因ではないかと捉えています。
(先行者が浸透させたことでマーケティングコストが抑えられることと、シェアを取りきられる前に参入したかったのではというのが、UBERカンボジア参入の要因では。UBERはプノンペンで正式ローンチ済み)
試験運用を行っていたGrabも今週に入ってサービスを開始したため、今月でプレイヤーが出揃った感があります。
今後のカンボジアの配車アプリ市場は、UBER vs Grab vs ローカル配車アプリ(Taxi Startup勢)となっています。資金力を盾にしてプロモーションで先行しているローカルアプリから2社がユーザーを奪うのか、ローカルアプリが価格競争に持ち込んでビッグプレイヤー2社がカンボジアの市場にメリットを見いだせなくなるかのどちらになるかといった状況にあると考えています。
今はサービスを開始したばかりのGrabがプロモーションを行っていますので、プノンペンにいらっしゃる予定がある方はこちらのプロモーションコードをお使いください。
プロモーションコード:GRAB5
https://www.facebook.com/GrabKH/posts/332333843901643
カンボジア発配車アプリ創業者Daluchさんのインタビュー記事:
https://goo.gl/NNUjyp
ウーバーも殴り込み。過熱するフードデリバリ―競争
瓜生原 琢実CONPATH Founder
カンボジアでUberは正式にサービスを開始しましたが、UberEatsはまだ。Uberに先行して10ほどのローカル配車アプリがサービスを展開してきましたが、Uberが先行しているローカルアプリを買うことなく参入したため、フードデリバリーでもインターナショナルなプレイヤーに吸収されるというエグジットはなくなったと言えるでしょう。
フランス人起業家が立ち上げたMeal Templeを筆頭にカンボジアには既に5つ以上のフードデリバリーアプリが存在しています。
Meal Temple
https://conpath.net/en/columns/review-cambodian-food-delivery-app-mealtemple/
カンボジア最大野党に解党命令
瓜生原 琢実CONPATH Founder
カンボジアの政治から学ぶゼロベース思考。
「来年の国政選挙で野党に政権を取られそう。。」
↓
「そうだ。野党がいなくなれば良いんだ」
↓
最大野党に解党命令
===
CNRPの118人の上級職員(現党首のケム・ソカ、前党首のサム・ランシーを含む)の政治活動を5年間禁止
本解散は、同党がアメリカの支援を受けて"colour revolution"を画策したとフン・セン首相が主張したことが起因
解散によってCNRPは489人のコミューンチーフと55人の国会議員を失う
ソース:
http://www.phnompenhpost.com/national/breaking-supreme-court-rules-dissolve-cnrp
Facebook、広告を出さないページの投稿をメインフィードから追いやるテスト
瓜生原 琢実CONPATH Founder
いつも世界でも遅くに参入・対応されるカンボジアが、このテスト(Facebookページの投稿をフィードから除外する)ではなぜか6カ国のひとつに選ばれてしまっている。
カンボジアは完全なFacebook社会で、友だち間だけでなくビジネス上でのやり取りもMessengerで行い、70%の会社はWEBサイトを持っておらず情報収集もFacebookで行われている。
Facebookのフィードから企業の投稿が除外されることは日本で言うとGoogleの検索結果の表示に企業のサイトが表示されないようなもの。
それぐらい大きな影響を持ちます。通知が届くようにしているFacebookページはかろうじて通知に表示されるので影響は少し抑えられますが、6カ国のいずれかをターゲットとしているFacebookページは
・そもそもユーザーはExplore Feedをどの程度訪問するのか
・いかに投稿を一般ユーザーにシェアしてもらえるか
・いかに通知をONにしてもらえるか
が非常に重要になると考えられます。
当然Facebookにお金を注ぎ込めば解決する話ではありますが。他の5カ国は置いておいてカンボジアはまだ広告は絶対に踏まないという文化はないので。資本力のあるページが有利になるこのテストは個人的にはとても残念。
では、情報収集時の第一選択肢がFacebookからGoogle検索に移るかというと上記の通り70%の企業がWEBサイトを持っていない状況から考えて、大きな変化は起こらないかなと思います。
ただでさえ情報収集には向いていないFacebookがさらに情報収集しづらくなってしまい、その点においても非常に残念。
この6カ国では情報収集を容易にするためのソリューションを今提供し出したら、流れに乗ってうまくユーザーを獲得できるのではと思う。
フィンテック数社とゲイツ財団、銀行口座のない数十億人にサービス提供へ
瓜生原 琢実CONPATH Founder
カンボジアにはM-Pesaが立ち上がった数年後にWingというコピーサービスが開始され、全土にエージェントを持つ送金のインフラとなっている。
クレジットカード・キャッシュカードを持ち、ATMも近所にある立場からするとWingは非常に不便。カンボジア国内の遠方のクライアントからWingで支払いをされることもあるがわざわざ代理店に出向いてお金を受け取らないといけない。
Wingはモバイル決済の分野にも進出してきており、配車アプリを利用しているドライバーを中心にTukTukでもWingで支払いができるようになってきているが、Wingは銀行口座や他のモバイル決済アプリと連携されておらず事前にお金を入れておく必要がありこれもまた不便。
従業員のWingのアカウントへ給与を送金する会社もあるが、給与が現金払いのところは「払いたいときにお金が入っていない」という問題が同様に生じる。
モジャループによってWing(モバイル送金サービス)と金融機関が連携されるようになれば、上記問題も解決されるため非常に有益。
それにしても、ルワンダやウガンダでは未だに人力でお金を送金しているのだろうか。
どうすれば英語が身につくか。自走するためのコーチング論
瓜生原 琢実CONPATH Founder
カンボジアに住んでいると英語が話せるようになるかは環境的な要因(とお金)が圧倒的に大きいと思う。
カンボジアでは英語が話せるか否かで給与に大きな差が出る状況にある。英語が話せるようになれば、その後得られる給与期待値が◯◯割上がるというのが目に見えているため、当然必死になって勉強する。
先週末カンボジア最大のTech&Startupカンファレンスにブース出展していたが、習熟度に程度はあれ英語でコミュニケーションが取れなかったカンボジア人来場者は皆無だった。英語を本気で習得しようとしている証拠だと思う。
親も目に見えて給料が上がるのであれば英語教育に投資してくれる。
一方で日本は英語が話せたところで仕事内容が変わったりするぐらいで、給与が何割も上昇するといったケースはほぼないように思う。
プログラミングを勉強したい人がHello Worldから始めると挫折していくように、英語を身に着けたところで自身の生活にすぐに有益なことがもたらされない日本では、英語が身につけられるようになる方が無理ゲーと言えるでしょう。
英語が話せなくても死なないんだし、話せるようになったところで大したメリットはないんだから。
Taking A Glance Through BarCamp ASEAN 2017
瓜生原 琢実CONPATH Founder
カンボジア最大のTech&Startupカンファレンス、BarCamp ASEANがITC(日本でいう東工大)で先週金曜日から日曜日まで3日間開催されました。
3日間の来場者数は約4500、出展は65、ワークショップやピッチイベントなどのカンファレンス内イベントが約70といった規模感です。
出展者の中でスタートアップはレベル感を問わずに数えるとおよそ6〜7割。
実はカンボジアのスタートアップがStartupbootcamp FinTechで2年連続Top10に入っています(2016年がBanhji、2017年はMorakot)
この他にも、Khmer Crypto Foundationというチームがカンボジア国内でBlockchainの導入を推し進め始めていたり、モバイル決済アプリが乱立していたりと、カンボジアのFinTech界隈が盛り上がりつつあります。
今回のイベントのメインスポンサーであるSmartが、このイベントに合わせてAPIを提供しはじめてハッカソンを行われたりもしました。
※Smartは日本でいうSoftbank。後発の通信会社で若者をターゲットにしており、最近スタートアップ向けの5M USDのファンドも立ち上げたことからもうまさにSoftbank。Softbankをベンチマークとしているのではと思うぐらい
私は出展者として参加したのですが、Facebook広告でブーストをかけたのと合わせてFacebookページのいいねが約+150、求人への応募が11。
上述のKhmer Crypto FoundationはPythonとNode.jsを開発に使っており、イベント内で採用を試みていたものの全く反応がないとのことでした。
私もエンジニアの採用を試みていましたが、カンボジアの大学のカリキュラム的にPython、Node.jsが使えるエンジニアの採用はほぼほぼ無理で、PHP/Laravelならギリ可能かなという感覚。
Python/Node.jsの講座を大学で行えばまるっとエンジニアを確保できるかも?
【カンボジア】18年最低賃金11%上昇、月170ドルで決定[労働]
瓜生原 琢実CONPATH Founder
野党が最低賃金の上昇に積極的で、政府は野党人気を抑えるために最低賃金上昇を受け入れてきたという印象だったが、野党への再三の圧力で野党を解党の危機に追い込んでも引き続き最低賃金は大幅に上昇させると。
ベトナムの日系企業が多く立地するエリアの最低賃金が175ドルになるということなので、ベトナムの最低賃金設定を受けての設定なのでしょう。
ベトナムよりは下回っているものの労働者の習熟度・気質を比較した際に、果たしてカンボジアを選択する理由があるのだろうか。
"進出日系企業が多く立地する「地域1」(ハノイ市、ハイフォン市、ホーチミン市など)では、評議会案が採用されれば、前年比6.1%上昇の月額398万ドン(約175ドル、1ドル=2万2,765ドン)となる見通しだ(表参照)"
https://www.jetro.go.jp/biznews/2017/08/af9213c4df59d790.htmlhttps://www.jetro.go.jp/biznews/2017/08/af9213c4df59d790.html
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