円安に柳井会長「日本にとって良いわけないですよね、これ」企業経営者から懸念の声
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「円が安いと日本の輸出企業が元気になるから円安は日本にとって良いことだ」
って、本当に乱暴な主張だと思う。
日本は輸出企業のみで成り立っているわけではない。輸出企業の見た目の業績が好調になること以外に円安であることの良い側面を提示してもらいたい。
インバウンド需要が増える?
それは日本が以前のタイなど東南アジアの国々のように「安く旅行できる国」に成り下がっているということだ。
いくらインバウンドで日本にお金が落ちても、それを使って外国から資源や製品を買う時はドルやユーロに換金しなくてはならない。
インバウンドで手に入る日本円が5割増しになっても、円の価値が5割減れば外国から買えるモノは以前と変わらない。
なのに国内の賃金は5割も上がるわけがないから、日本人の暮らしは当然厳しくなる。
少し考えれば分かるが、円安で日本の製品が相対的に安価になって輸出が増え、円建てでの見た目の利益が増えることと、日本が元気になることはイコールではない。
増えて見えるのは「日本」円での業績であって、我々がいま否応なく組み込まれざるを得ない「世界」の基軸通貨であるドル換算での業績ではないのだ。
もし江戸時代のように鎖国でもしているのであれば、比較対象が見えない(存在しているが国民には見えない)から、開国を強いられるまでの間は井の中の蛙でいられるが、国際的な切磋琢磨の機会に晒されない産業や文明は特異なものになりはすれ、相対的な競争力は落ちるばかりだろう。
厚顔無恥にも安倍政権が喧伝し続けた「戦後最長に迫る景気拡大」を実感できた国民はいったいどれだけいただろう。
少なくともその間海外に住んで客観的に日本を見ていたわたしの目には、日本は明らかに景気後退しているように見えた。
しかし、政府は景気拡大を謳い続ける。
国民や企業は半信半疑ながらも「うちは苦しいけど政府がそう言うなら他のところは儲かっているんだろう」と盲目的に大本営発表を信じ続ける。
…そして、その結果が今の日本だ。
日本に2週間ちょっと滞在して知人たちと会ったが、今の日本に対して本気で危機感を持っている人はいなかった。
みんな「円安困った」「日本良くない」と言いながらも、今の茹でガエル状態から抜け出す気は無さそうだった。
美しく衰退していく国、日本。
もしかしたらそれもまた良いのかもしれない。
注目のコメント
通貨の強さは国の強さの反映というのは普遍的な真実です。
政府に円安策を求め続けた製造業の経営者には言い難いことでしょうけれど、日本人にとって海外の物価が強烈に高く、外国人にとって日本の物価が強烈に安い状況が、日本国民にとって良い状況であるはずがありません。いろんな事情があって国内で競争力を失い続ける製造業を支えるためにとった円安政策が、今の日本の姿を産んでいるのです。
日本に立地する製造業が競争力を失う過程を現役時代に具に見て来た私は、如実にそれを感じます。別の立場から経済を見て来た非製造業の経営者が円安を良いことでないと見るのは当然であるように感じます。
自国通貨の価値を積極的に毀損する日本の政策がいかに異常なものかということに、そろそろ気づくべきじゃないのかな (・_・?未だに「円安に良いも悪いもない」と斜に構えたことを主張する向きもありますが、それは「市場価格で決められたものに文句を言っても仕方ないだろ」という意味では正論ですが、柳井さんがおっしゃるように考えるのが普通の実業の方の感覚だと思います。