大企業製造業の景況感4四半期ぶり悪化、自動車生産停止で-日銀短観
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大企業製造業の業況判断指数は12月調査の+13から+11に低下していますが、12月調査時点での先行きでは+8の見通しでしたので、3カ月前の見通しほど悪化しなかったことはポジティブでしょう。
また、企業収益計画が増収減益となってますが、想定為替レートがドル円141円台ということで、足元より10円ほど円高想定となってますので、今後の為替次第では上方修正の余地含みと言えるでしょう。
さらに設備投資計画調査でも、前年比で見た当初計画が最も強かった22年度に次ぐ高水準となっており、企業の設備投資意欲も旺盛なことが見て取れます。
総じて今回の短観はヘッドラインが示すほど中身は悪くないと言えるでしょう。予想通り、製造業の景況感が悪化し、非製造業の景況感が改善しました。ただ、悪化した製造業でも、その主因は能登半島地震や自動車メーカー不正による供給制約なので、全体的にそれほど悪くないという印象です。2024年度の設備投資計画も、引き続き高めの伸びが見込まれています。
大企業製造業の売上高経常利益率は11.32%と、この統計をとり始めた1973年以来の歴史的高水準にあります。大企業製造業が史上空前の好決算を謳歌し、設備投資を約1割も伸ばす計画であるにもかかわらず、業況判断を少し悪化させているのは、良く言えば「養光韜晦」作戦、悪く言えば賃上げ圧力をかわすための「好業績隠し」ではないでしょうか。