4月も値上げ継続、家計へ逆風 残業規制強化、保険料引き上げも
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こういう書き方をすると、ずいぶんネガティブな印象になるのですが、賃上げすればサービス価格は上昇しますし、また、賃上げの原資としてサービス価格が上がっているとも言えます。実質賃金がいつプラス圏内に入ってくるか、が焦点でしょう。
「大企業を中心に賃上げは進んでいるものの、家計への逆風は強くなりそうだ」 (@@。
賃金と物価の好循環が起きるのは、企業の生産性が上がって儲かった分が賃金と企業の投資を共に増やし、物価が上がるほどには生産コストが上がらぬ場合に限ります。コストが上がった分が転嫁されて起きる物価上昇、まして円安で輸入コストが膨らみドル建ての利益が嵩上げされる状況下で起きる物価と賃金の共振的な上昇は、悪循環にしかならぬはず。インフレが始まった後のこの2年、ドルで稼ぐ大企業を中心に労働分配率が大きく下がり、実質賃金が22ヵ月連続で下がったのがその証左。資源高と円安で日本が生み出す価値の一部が海外に流出したのですから当然の成り行きです。
確かに今年の賃上げ率は高そうですが、仮に実質賃金が当座のあいだ上がっても、これまでの円安と値上で嵩上げされた利益を従業員に還元する形で実質賃金減少分の一部を補うに過ぎず、給与生活者の生活振りが2~3年前と比べて良くなるわけではないはずです。実質賃金が減っているにも拘わらず名目賃金の上昇で累進課税の所得税は増えますし、社会保険料の負担増も目白押し。政府の税収増加がそれを象徴しています。しかも、インフレ下であるにも拘わらず日銀が金利を低く抑え込んでいますから、庶民の預金の価値は2~3年前と比べて実質的に1割ほども減っているのです。
インフレ・デフレはそれが想定範囲内である限り、実体経済にさして大きな影響を及ぼすものではありません。何より重要なのは企業とそこで働く人々が生み出す価値を実質的に増やすこと。インフレが起きればそうなるわけのものではありません。2年の予定が10年を超えるに及んだ異次元緩和とここ2年間で起きた現象を見ていると、いわゆるリフレの主張は破綻したといって良さそうに感じます。賃金と物価の共振が日本を息の長い成長軌道に戻すという幻想は、そろそろ放棄すべき時じゃないのかな・・・ 物価は人々が意識せずに済む状況が最も安定しており、企業が本来的な収益力を高める上でも適しているように感じる昨今です。もっとも私は、インフレ期待に賭ける異次元緩和が始まる前からそう思っていましたけれど f(^^;