大規模緩和「役割果たした」=マイナス金利解除を決定―日銀3月会合の主な意見
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- 1日銀はマイナス金利政策の解除を決定した金融政策決定会合での主な意見を公表
- 2大幅な賃上げが相次いだことを受け、2%の物価目標が持続的に実現していくことが見通せる状況に至ったと判断
- 3金融政策の変更が妥当だとの意見が相次ぎ、マイナス金利解除と長短金利操作の撤廃、上場投資信託(ETF)の新規買い入れ停止などを賛成多数で決定した
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注目のコメント
今回の政策変更をどう位置づけるのかについては、政策委員会メンバーの中でも微妙な違いが窺われます。
物価安定目標を持続的に達成しうる見通しが立ったのであれば、それ自体は歴史的な事態となります。ただし、それがbackwardに実現したことは事実としても、来年度に向けての確信度合いには見方の違いがあるように見えます。
また、短期金利の誘導を主たる政策手段と位置づけるようになったことも、それ自体は歴史的な転換となります。一方で、長期金利が不安定化しないようにすることも重要との意見も窺われます。
さらに、政策金利をさらに引き上げても、緩和的な金融環境を維持しうるかどうかにも、中立金利をどう想定するかによって、異なる見方が可能です。
これらの点は時間の経過とともに決着せざるを得ない面があるだけに、金融市場だけでなく、企業や家計にとっても「モヤモヤ感」が残り続けることになりそうです。
ただし、私自身は、この局面で政策委員会メンバーの間で意見が異なることはむしろ自然であるだけでなく、結果的にはコミュニケーション政策として良い結果を残すことが期待できるようにも思います。