【日本も影響】無敵の「米ドル」が危機に瀕している
コメント
注目のコメント
現在の変動相場制は、奇術のようなものですが、自由で開放的な国際経済が最大多数の利益になるという、予定調和的な期待の上に成り立っています(マンデル・フレミング・モデル)。
たとえば、今のロシアでいえば、自由で開放的な経済であれば、
国際資本が流出しているという現在のロシアでは、
→通貨(ルーブル)安が進む
→輸出が増える
→通貨が高くなり、金利が上昇する
という過程をたどるはずです。
大筋では当てはまっていますが、経済制裁を課されていることもあり、この通りにはならないおそれもあります。
変動相場制の利益を享受できない国も出てくる、というおそれはあります。
そうはいっても、国際経済が完全に自由で開放的だったことなどないし、冷戦時代、1980年代のレーガン政権の時なども経済制裁はあったし、ドルは非常に強かったといえます。
短期的には、過去4年間は米国の政策金利が上がってきたのだから、国際資本が米国に集まってドルが強くなったのは当然であるし、これから金利が下がればドルは相対的に弱くなる、というのは、当然のことではあります。
これから起きることが、レーガン政権で強かったドルが、90年代前半のブッシュ政権で比較的弱くなった、というのと同じかというと、全く同じということはないでしょう。あの時はむしろ経済制裁は減っていました。
しかし、現在の変動相場制に替わる仕組みをどこかの国がつくっているわけではないし、中国などもこれまでは変動相場制の受益者だったのですから、意図的に現在の変動相場制を機能不全にしようとするとは考えにくいです。現代の世界経済において全員が意識しておくべき非常に重要なテーマだと思います。
中進国と言われる国を中心に、米ドル依存や米国債保有を減らしながら、その中央銀行は代わりに金の保有をどんどんと増やしているために、その金の価格は現状でも天井知らずの上昇をしています。
そんな中、米国に出てくる大統領はトランプにしてもバイデンにしても財政規律が非常に緩く、過去最大の債務残高を更新し続けている。
特に、これからトランプが大統領になったときの最大のリスクは、米ドル価値の失墜によるハイパーインフレが遂に起こってしまうことなのではないかとも時々言われます。
米ドルの価値を担保していたと言われる米軍の威信や信頼感が翳り続けてもいます。トランプによる「米国の孤立主義」に拍車がかかれば、これも米ドル価値の失墜に寄与します。
これらのことに関して、米国政府が問題意識がしっかりあるようには現時点ではあまり思えず、その事態は常に深刻化していっているようにしか思えません。
現状では粘着的に続くインフレに対処するための高金利が、今の米ドル価値をキープし続けてはいますが、米国経済が深刻なリセッションに陥ってしまった際には、これらのことが一気に逆回転を始める可能性はあると思います。
追記
NPのプロピッカーとしてもコメント欄によくお見えになる永濱利廣氏によると、
各国の債務状況の切迫感については、現代の経済分析では債務全体とGDPとの比較よりも、その利払い費とGDPとの比較で見るべきだという論が今は主流なのだそうです。
各種メディアで永濱氏が度々そのように解説しています。
政府債務に関する誤解(2022/09/01)
https://comemo.nikkei.com/n/n4e7c11bd7596
この基準では、日本よりも米国や英国の方がずっと深刻な状況であり、日本はむしろ緊縮過ぎるということになるようです
これについては正直わたしもまだ眉唾に思ってしまう部分があり、これだから日本の債務状況は安泰なんだと言える状況には思えません。
ですが、「日本の方がずっとヤバいだろ、ヨソのこと突っ込んでる場合かよ」という論にも若干のサジェスチョンが差し挟まれるということは知っておくべきと思います
それに、米ドルの失墜は当然日本の経済や安全保障にも深刻な影響が及ぶことになるので、決して他人事ではありませんバイデンの人気のなさの一つにメッセージのわかりにくさがありますね。
トランプを批判しつつ、一部の政策は踏襲し、かつ、表現だけ変えて同じ事をやっています。
つまりトランプが唱えている事は多くのアメリカ人の本音だという事でしょう。それを知識人代表のようなヒラリーやバイデンが言っても説得力に欠けるんでしょうね
"ジョー・バイデン大統領は、トランプが中国製品に課した追加関税を維持する一方で、トランプが唱えた「アメリカ・ファースト」というスローガンに代わって、「フレンドショアリング(サプライチェーンを友好国で固める)」や「バイ・アメリカ(米国製品の購入を)」を唱えるようになった。"