【読書】日本に必要なのは「変化を受け入れる力」である
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日本で唯一変化しないのは変化し続けることを拒む姿勢だけだ、という趣旨の皮肉は、欧米の日本通の間でよく聞きます。その一方で、明治維新や戦後など、日本的な意味での「お上」が変わると、一気に「じつは…だった」的にプログラムが自動で更新されます。
確かに日本では、「訂正」や「変化」が(一般的に好ましい姿勢とされる)「筋が通っていること」や「信念があること」と両立しないと見られることが少なくないと感じます。その意味では、二項対立を乗り越える文系的な力が(本来強いはずなのに)弱いと感じる局面が少なくありません。むしろ、二項対立文明と見られている欧米の方が結果的に一貫性を持って柔軟に自己変容しています。嫌いな隣人とも毎日社交し、時に結婚し、多くの場合殺し合ってきた中で培われた、まさに「ヨーロッパ的な知性のあり方」なのでしょう。
なお最後の「幻想をつくる力」は、日本はある意味で超先進国と思います。但し、やはり戦後の制約条件の中で先走るしかなく、皮肉を込めた意味で「超」がつくほど早熟なので、最も大事な要素であるはずの「未来へと進んでいく新たな物語」の中身の方がついてこられず、その点については生みの苦しみだけが続いているように感じます。
注目のコメント
「変化を受け入れる力」、とても共感します。日本は良くも悪くも「同調文化」であり、調和が得意です。だからこそ平和な社会が保たれる一方、変化を受け入れにくい。
今当たり前に思っていることは、当たり前でなくなっていくことを、まさしく「不適切にもほどがある」のドラマで感じます。全てを当たり前だと受け入れずに、好奇心を持って訂正するチカラは、必要ですね。
とはいえ、私たちの行動の95%は無意識に支配されていると言われ、意識の部分はたったの5%。つまりこれまでの経験が無意識な習慣となっており、わずか5%の意識を活用しないと、リセットはできません。
だっからこそ、「脳の空白原理」を活用するのが大事。空白原理とは、脳には空白があり、空白を埋めようと脳が働く思考パワー。例えば、アインシュタインなど多くの科学者がすごい発見をするのは、「なぜ?」という脳の空白を埋めようと、研究を続ける結果です。
脳の空白を活用するには、why?と問うチカラ、つまり素直な好奇心が大事です。脳の空白をたった5%の意識で追求していくと、リセット力にもなり、驚くほどの可能性が広がりますね。「一貫性を持ちながら変わっていくこと」
とは、「動的平衡」のようでもあります。
福岡伸一著『動的平衡』のサブタイトルは、「生命はなぜそこに宿るのか」。
まさに生命の行いです。