ビッグマックが390円→480円「2年で5度」の値上げでも売り上げ好調のワケ - 価格戦略のプロが見た「あの値付け」
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値上げしても、マクドナルドに人が集まる原因の一つは、「安心感」「馴染み感」があるのではないでしょうか。
マクドナルドは1971年に日本一号店がオープンして以来、特にファミリー層向けの施策を多く行ってきました。今でも郊外のマクドナルドに行くと、子どもが遊べる「キッズスペース」がありますが、これはこうした施策の現れです。
日本マクドナルド創業者の藤田田は、家族三世代で行ける店にするべく、こうした政策を行ったといいます。その結果、休日にファミリーでマクドナルドに行く、というのが習慣として身に付いている人も一定数いるでしょう。
こうした経緯もあり、マクドナルドは(その店舗数の多さも相まって)、日本人にとっての一種の「思い出の場所」的な存在になってきたのではないでしょうか。つまり、どこかしら感情的な側面を刺激する店として、マクドナルドは成長してきたということです。
最近、マクドナルドはこうした「情緒」を押し出すPR戦略に積極的で、CMでは積極的に「エモ」を押し出しています。部活帰りに高校生が土手でマクドナルドを食べる、夕暮れ時に家族が家の中でマクドナルドを食べる、そんな風景をアニメーションで描いたCMは大きな反響を呼びました。
参考 https://www.buzzfeed.com/jp/kenjiando/urachan1629
こうしたCMが話題を呼んだ背景には、明らかにマクドナルドに対するイメージが、ある種のエモ的な情緒を伴っていることがわかります。こうした情緒的な側面も、消費者の「マクドナルドに行こうかな」という気持ちを後押ししているのかもしれません。
数値的なマーケティング理論以外にも、消費者があるブランドに抱くイメージや情緒的な側面も、サービス業を考える際には重要になってくるのではないでしょうか。
この辺りのマクドナルドのエモ戦略について、私が以下の記事で詳しく言及しているので、興味がある人はよければこちらもどうぞ。
https://shueisha.online/articles/-/194376