ボーイング、スピリット・エアロ買収へ協議 737増産も延期
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以下の会社.
https://newspicks.com/news/9420813/?ref=user_2112738
737MAXの胴体製造も請け負っている会社.Spiritは、2005年にBoeingがカンザス州にあるウィチタ工場を投資会社のOnexに売却し誕生、その後2006年に再上場した会社。
BAE(Airbusに部品供給)やBombardier(その後航空機事業をAirbusに売却)からも製造の一部を買収し、現在は売上の約6割がBoeing、3割がAirbus、そして残りの僅かがその他という構成。
本報道後、Spiritも交渉を認めてリリースを出した。
https://bit.ly/3SY3bIZ
Boeingの製造現場の弱体化が最近注目されている。
株式市場からの資本効率の向上期待から、Spiritも売却した。またBoeing自体も、航空機という寡占化かつ成長産業で受注残が多いことや、防衛は安定需要が見込める側面から、資本効率を良くも悪くも徹底的に追及する財務戦略を取ってきた。一方、事業自体は巨額の開発費がかかり、事故の際のリスクも大きい。実際にB737MAXやコロナも背景に、2019年以降は株主資本がマイナスになっている(とはいえ、米国はそれで上場廃止や破綻にはならない)。
航空機は数百万点の部品が必要。自動車は数万点だが、こういう産業は自社では全部作らずに、サプライチェーンを構築してコーディネーションをする。
その意味で製造現場を全部持つことはそもsも出来ないが、一方で分離しすぎると「見えなくなる」のも現実なのだろう。本買収が成立すれば、その歴史の揺り戻し。
航空大手ボーイングが直面する「熟練工の消滅」とトラブル頻発の関係(Forbes、2024/2)
https://newspicks.com/news/9628092
‘This Has Been Going on for Years.’ Inside Boeing’s Manufacturing Mess.(WSJ、2024/1)
https://newspicks.com/news/9444771
なお、製造業観点では、露光機のASMLも常識に逆行してスゴイ。
ニコンやキヤノンが自社製造が多かった。一方、後発のASMLは分業、レンズはZeissに任せるなど、コーディネーション戦略を取ってきた。そして極めて高精度が求められる露光機で、部品の誤差の調整をする仕組みを包含した設計思想やその熟練度の強化で、分業によって競争を勝ち抜いた。