【3分解説】連勝で、「もしトラ」が現実味を帯びてきた
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「もしもトランプが復活したら」という問いの立て方が、トランプは本来は復活すべきでないものとの前提を含んでいるように見えます。
しかし、米国のみならず、南米や欧州で「右派的」な考え方が支持を集めており、そのようなグローバルな地殻変動を見据えた上で、大統領選を見るほうが冷静に結果を待つことができるのかもしれません。
南米では昨年11月に「アルゼンチンのトランプ」を自称する右派ハビエル・ミレイ氏が大統領に当選し、欧州では数年前に英国がEUから脱退し、オランダ、イタリア、ハンガリーなどでは右派のリーダーが生まれています。
大前研一氏は、グローバル経済への反発が排外主義的考えが各地で生まれている背景にあると指摘します。
https://president.jp/articles/-/77131?page=2
また、背景に「エネルギー価格の上昇による経済的不安と、移民や難民が増えることで自国の社会が変質するのではという心理的不安の二つが影響している」との分析もあります。
https://www.yomiuri.co.jp/world/20231206-OYT1T50207/
米国内では政治家の言説が労働者からの信頼を失い、階級間対立に変質しつつあると分析されています。ジャーナリストの会田弘継氏は、以下のように述べます。
「何故70年代から労働者が民主党から離れたのか。産業構造が変わって、組合が壊れて行き場がなくなった…。ずーっと浮遊し続けてる…、これはアメリカに限らず先進国全体が抱えてる問題。(中略)エリートによる支配があって、どうしても疎外されて…、多くの人々が低賃金で…、そういう激しい階級社会ができてて、そういう(支配される側の)人たちに訴える言葉をトランプ氏は知ってる。でもそれは麻薬みたいなもので、ちょっと救われた気になるかもしれないが根本的に救われるわけではない」
https://news.yahoo.co.jp/articles/207677e90d8297b209f707e18d2b170040e2a078?page=3
国のリーダーの資質は国全体に影響しますし、米大統領選挙は今年最も重要な政治イベントのひとつですが、同時に世界各地で起きている政治的潮流を見据え、共通して直面している課題を考えることも重要なのではと思います。大統領選挙は、予備選も含めて全米50州が舞台になりますが、当然ながら、どの候補も、それぞれに強い州と弱い州があります。
強さ、弱さは、自分の地元では強く、たとえばデサンティス氏ならフロリダ州では勝てたでしょう。
あとは、その州の人種構成、産業などで左右されます。
ヘイリー氏は地元はサウスカロライナ州、そしてアジア系なので、アジア系が多い都市部で比較的強い傾向があります。
ニューハンプシャー州は、ボストンの周縁地域のようなもので、アジア系も比較的多く、ヘイリー氏が戦いやすい州の1つです。
トランプ氏が強いのは、非都市部、それに製造業が盛んな地域です。特に農村では圧倒的な強さを見せます。
3月5日のスーパーチューズデーで大勢は決するでしょうが、その日に結果が出る大箱の州、特にカリフォルニアやテキサスをどちらが取るか、が勝敗を分けます。
ヘイリー氏はカリフォルニア州やマサチューセッツ州では善戦できるかもしれませんが、テキサス州はトランプ氏でしょうし、他の大きめの南部州、ミネソタ、テネシーなどもトランプ氏でしょう。もともと、トランプ氏はいわゆる「強い候補」とはみなされていませんでした。2016年の1回目の選挙では当初、泡沫のような扱いを受けていましたし、人気がスタートした後も歴史的な支持率の低さでした。
しかし、岩盤支持層(つまりコアなファン)が超強固だから、なんだかんだで選挙で戦えるのがトランプ氏でもあります。
一方のバイデン氏。こちらも強い候補とはいえないかも知れません。在任中の支持率はコロナ禍やBLMがあったトランプ氏と大して変わらず、今も民主党内部ですら高齢不安があります。
その2人によるリターンマッチに向けた動きをまとめました。ぜひご一読ください。