パキスタン、イラン領内を攻撃=9人死亡、越境攻撃の報復か
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イランは16日にパキスタン領内にある武装勢力の拠点を攻撃した際に、「イランの反政府テロリストを攻撃した」としてパキスタンの主権を侵害するつもりはない、と無理な主張。今回パキスタンはイラン領内にあるパキスタンの武装勢力の拠点を叩き「パキスタン・バロチ族のテロリストを攻撃した」だけでイランの領土を侵害するつもりはない、と全く同じロジックで対抗。
いずれの攻撃でも被害を受けたのは一般市民の子どもや女性だと報じられていますが、両国とも「テロリストを殺害した」と主張しています。
こんな調子ですから、さらにエスカレーションしても不思議ではありません。イランの革命防衛隊は、パキスタン国内にいた「正義軍(バローチスタン独立派勢力)への攻撃」と称して、何の事前連絡も無しに突然ミサイルを撃ち込み、民間人を殺害しました。
イラン政府は謝罪もしていません。
そうであれば、パキスタンも、イラン国内にいるバローチスタン独立派勢力を、イラン政府に何の事前連絡も無しに空爆していい、ということになります。
こんなことをしていても、両国の民間人がどんどん殺害されるだけで、民間人が不幸になるだけです。
どちらが悪いかといえば、最初に何の事前連絡も無しにパキスタンにミサイルを撃ち込んだイランの方でしょう。
当たり前ですが、何の連絡も無しにいきなりミサイルを撃ち込まれて民間人を殺害されて、歓迎する国も無ければ、報復も無しに済ませる国もありません。
イランにすれば、イスラエルの手先(ということにイラン政府の陰謀論設定ではなっています)を攻撃してガザ地区のパレスティナ人を支援した、という理屈なのですが、さすがにそんな妄想的設定に同意する国はイランの外にはないし、他国の人間を殺すということについて無頓着過ぎます。イランの越境攻撃に対する報復と言えるが、イランの軍や施設を狙ったわけではなく、バロチスタンの非イラン人を狙ったものだとみられる。つまり、イランもパキスタンもお互いに戦いたいわけではなく、双方が手を焼いているバロチスタンの分離独立運動への対処。イランは今年初めにソレイマニ廟のある墓地でテロがあり、分離主義者が行った可能性があるとみている。実際、革命防衛隊の方面司令官がテロで殺害されている。パキスタンにとってもバロチスタンは分離独立を訴え、実質的にパキスタン政府が統治できていない地域。なので、イランとパキスタンがともに分離主義者に攻撃をしているが、「分離主義を否定すること=分離主義者が支配している領域は自国の領土だと言い張ること」なので、ことさらに主権侵害だの、外交官を召喚するだの、という話になっている。