突出した子を集めた英才教育に挫折 「IQだけじゃない」学園の教訓
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ギフテッドの当人、保護者は、多くの悩みを抱えると思いますが、彼らに対する悪いファンタジーの抱き方について、リアルに書かれています。「IQの高さばかりに注目してしまいましたが、社会で生活をうまく営むための発達に飛び級はないということです。成長のためにはやはり基礎学力、協調性、やり抜く力が欠かせません」
IQはあくまで能力の一つであり、「バスケットボールをプレーするうえで身長が高いというのに似ている」と言われています。過去の類似の試みにおいても、高IQ集団はその他の集団よりもわずかに社会的成功を収めているにすぎず、IQだけでない他の能力が社会的成功にとって重要だと言われています。
一方、ギフテッドの子供たちの興味には通常の教育課程では対応できず、その個性に応じた指導を受けられないという望ましくない状況が生まれてしまいます。そのため、その個性、興味、偏りに応じたギフテッド教育自体は必要だと思います。記事の中で、ギフテッドの子供たちは科学の基本的概念の理解が浅く、助言に耳を傾けず、失敗したらすぐ諦めると言われていますが、そもそも通常の教育課程ではまだ教えられていない科学の基本的概念や周りの大人が教えられない研究姿勢こそ、ギフテッド教育の中で教えられるべきものなのです。
なお、教育の方法にも工夫が必要であり、高IQであることをもてはやすようなことは悪影響を及ぼしかねません。アメリカで行われた実験によれば、知能を褒められた子供は頭が良いというレッテルを失うことを恐れて挑戦に消極的になったり、失敗したときの原因を得意不得意の問題と捉えてしまう傾向にあるということが分かりました。一方、努力を褒められた子供はその努力を示すために粘り強く挑戦して、より成績が上がったとのことです。
このような教育的観点も踏まえ、日本の若い才能をどんどん伸ばすことのできる社会になっていけばいいなと思います。